福井市議会 > 1998-06-17 >
06月17日-02号

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  1. 福井市議会 1998-06-17
    06月17日-02号


    取得元: 福井市議会公式サイト
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    平成10年 6月定例会               福井市議会会議録 第2号           平成10年6月17日(水曜日)午前10時6分開議〇議事日程 日程1 会議録署名議員の指名 日程2 市政に対する一般質問──────────────────────〇出席議員(38名) 1番 山口 清盛君   2番 柳沢 峰生君 3番 谷口 健次君   4番 早川 朱美君 5番 宮崎 弥麿君   6番 木村 市助君 7番 吉田 琴一君   8番 小林荘一郎君 9番 田中 繁利君   10番 谷口 文治君 11番 宮崎 利道君   12番 田中 一男君 13番 栗田 政次君   14番 近藤 高昭君 15番 加藤 貞信君   16番 谷口 忠応君 17番 皆川 修一君   18番 浦井美惠子君 19番 松宮 秀彦君   20番 上山 正男君 21番 中谷 勝治君   22番 田辺 義輝君 23番 西村 公子君   24番 高橋省一郎君 25番 中谷 輝雄君   26番 松井乙右衛門君 27番 山崎 謙二君   28番 畑  康夫君 29番 若山 樹義君   30番 西村 高治君 31番 中村 正秋君   32番 山田 俊臣君 33番 石川 道広君   34番 浅原 利男君 35番 松山 俊弘君   36番 成瀬 亮一君 37番 藤田 喜栄君   38番 伊東 敏宏君──────────────────────〇欠席議員(0名)──────────────────────〇事務局出席職員 議会事務局長      坂 上 泰 学 議会事務局次長     大 島 幸 雄 庶務課長        南   昌 宏 議事課長        吉 村 邦 栄 議事課主任       田 中 光 夫 議事課主幹       小 川 眞一郎 議事課副主幹      山 先 勝 男 議事課主査       山 本 誠 一 議事課主事       黒 田 慶 廣──────────────────────〇説明のため出席した者 市長         酒 井 哲 夫 君 助役         清 水 彰 一 君 収入役        花 山   豪 君 教育長        梶 川 恭 博 君 企業管理者      堂 阪   力 君 総務部長       桑 野 正 暁 君 企画財政部長     奈 良 一 機 君 市民生活部長     林   廣 美 君 福祉保健部長     石 井 信 孝 君 商工労働部長     木 村   健 君 農林水産部長     堂 下   暁 君 都市政策部長     舟 木   壽 君 都市政策部理事    笠 松 泰 夫 君 建設部長       齊 藤 忠 男 君 下水道部長      谷 本 忠 士 君 企業局長       中 野 朝 一 君 教育部長       奥 津 正 男 君 市長室長       竹 内   寛 君────────────────────── ○議長(伊東敏宏君) 出席議員が定足数に達しておりますので,議会は成立いたしました。 よって,これより会議を開きます。────────────────────── ○議長(伊東敏宏君) それでは日程1 会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は,会議規則第81条の規定により,21番 中谷勝治君,22番 田辺義輝君の御両名を指名いたします。────────────────────── ○議長(伊東敏宏君) 次に日程2 市政に対する一般質問を許可いたします。 なお,議事日程の都合により質問は重複を避け,簡明に,また理事者は質問の趣旨に沿い的確に,簡単明瞭に答弁されるよう重ねてお願いをいたします。 19番 松宮秀彦君。 (19番 松宮秀彦君 登壇) ◆19番(松宮秀彦君) おはようございます。友愛クラブの松宮秀彦でございます。さきに通告いたしました内容に従いまして一般質問をしてまいりますので,理事者の誠意ある答弁をお願いいたします。 まず初めに,福井市中心市街地の活性化についてお伺いをいたします。 このたび,福井市中心街整備推進協議会が5月30日に中心街整備の理想像を描いたグランドデザインイメージ図を最終案として公表をしたところであります。これまでも中心街を活性化しようと幾つもの協議会が結成され,そのたびごとにグランドデザインを発表し,その後の活動が進まない状況になっていました。これでは中心街の整備どころか,ますます空洞化が進み中心街の活性化ができないという危機感から,商業者や地権者ら約350人が結集をし,平成8年1月に福井市中心街整備推進協議会が結成されたわけであります。今回発表された最終案は,七つのゾーンを設定し,娯楽に飲食にショッピングにファッションに観光など,大きな夢を具体化したものであります。 今回,このような発表で協議会の伊井会長は,会見の中で市民が楽しく集い,商売人が投資できる駅前にするのが目標であり,道路など地区の半分近くが行政側のエリアで,今後は行政側の対応がかぎとなるということをコメントしております。このことは,事業の半分は行政側の問題であり,行政の責任において行うべきであり,行政のリーダーシップが必要と受けとめざるを得ません。こうした諸課題を投げかけられた行政側として,今後これらに対してどのように対応され,中心街の活性化を現実のものとしていかれるのか,まずお伺いをいたします。 次に空き店舗対策についてお伺いをいたします。 ここ一,二年,中心街を歩いてみますと,休日でもないのに商店街のシャッターがおりているところが見受けられます。福井市のみならず,全国的にも中心街におけるこのような状況が見られ,国レベルでも大きな問題として国会でも取り上げられております。国では,中心市街地の活性化のための基本計画の策定や人材育成などソフト的な事業にかかる経費など,平成10年度は450億円の予算化,また地方単独事業として行われる街路の整備やイベント広場や産業振興のための施設の整備など,ハード的な事業につきましても500億円程度の対応を行うとしております。このように,国の方でも中心市街地の空洞化,さらには空き店舗対策に重大な関心を示しております。本市においても,中心街と言われるエリアの中で空き店舗の状況,また空き店舗対策について今後どのように考えておられるのか,お尋ねをいたします。 次にマルチメディアパイロットタウン構想についてお伺いをいたします。 この事業は郵政省が平成10年度地域振興関連施策として行うもので,これまでの通信放送研究成果を活用し,自治体や大学などの協力を得て,意欲ある地域においてマルチメディアモデルを展開し,全国への普及を図っていこうとするものであります。平成9年度の実施状況を見てまいりますと,札幌市や岩見沢市,沖縄の名護市など,多くの自治体において既に実施をされています。また中心街活性化のためのマルチメディア街にぎわい創出事業も新規の施策として行われており,商業施設の郊外展開,公益施設の郊外店などにより,空洞化が進む中心市街地の活性化のための総合的支援施策を創設し,中心市街地の活性化を図るなど,地方自治体を支援する事業であります。福井市中心街整備推進協議会が進める事業,また福井駅周辺土地区画整理事業とともに,中心街活性化のための本市として検討していくべきだと思いますが,どのように考えておられるのかお伺いをいたします。 次に福井駅周辺土地区画整理事業についてお伺いをいたします。 まず1点目は,仮換地への対応であります。福井駅周辺土地区画整理事業は平成4年12月1日に知事の事業認可を受け,以来,作業も順調に進んでおり,一部の移転交渉が残ってはいるというものの,公共用地の確保も見通しがついているということであります。私は先日,福井駅ビルの屋上に上り,地域の状況と連立事業を見てまいりましたが,JRの仮線工事の状況,区画整理内の移転状況など,上から見た場合,驚くほどに事業が進んでいます。 事業の進展と同時に,私の手寄地区では,平成5年3月には宅地面積2万1,000平米で地権者128人であったものが,平成9年12月末では宅地面積1万6,000平米で地権者は62人となっており,平成5年の半分になってしまっております。現在残っておられる人たちは,隣近所は公共用地となり,自治会運営もできなくなり,毎日が今後どのようになっていくのかが心配の日々であるとのことであります。平成11年度には仮換地の指定をするということでありますが,地区民の要望は早く仮換地の指定をしてほしい,自分はどこへ行くのか早く知りたいとのことであります。これらについて,今後のスケジュール,そして地区民への対応をどのように図っていくのか,お伺いをいたします。 2点目は,再開発ビルへの対応についてであります。福井駅周辺土地区画整理事務所が作成したパンフレットには,それぞれ地区の再開発ビルのグランドデザインが描かれ,とりわけ手寄地区における再開発ビルには,公共公益施設を含む内容であります。しかしながら,今日の状況を見てまいりますと,再開発に参加を目指しているという地権者の状況は,皆無に等しい状況になっているとのことであります。多くの市民はパンフレットを見て,完成時にはこのような再開発ビルができるのかっていうことで信じておるわけでありますが,完成の平成18年までは先の長い話であります。再開発への参加者がもしなかった場合を考えるとき,第3セクターでの事業は厳しいと言わざるを得ませんし,公共公益施設のみの単独事業になりかねません。このように,いろんな状況を考えながら事業を進める必要が出てくると思いますが,今後における行政としての対応はどのようなものか,どのように考えていくのか,お伺いをいたします。 以上で中心街を中心とした私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (市長 酒井哲夫君 登壇) ◎市長(酒井哲夫君) 中心市街地の活性化の中で,中心街整備推進協議会との関連の御質問にお答えをいたしたいと思います。 中心市街地の活性化につきましては,今日的な課題として,自治体のイニシアチブによる具体的な事業の取り組みが期待されているのは御承知のとおりでございます。国は,11省庁に及ぶ中心市街地の活性化策を示し,今国会におきまして中心市街地における市街地の整備改善及び商業等の活性化の一体的推進に関する法律,いわゆる中心市街地活性化法でございますが,これが成立をいたしまして,本格的な取り組みとしていよいよ始動しようとしているような状況でございます。 こうした中で,福井市におきましては,平成10年度の通産省の施策でございます中心市街地活性化のための基本計画策定事業に対し,昨日,補助採択の内示がございましたので,本格的に取り組んでまいりたいと,このように考えております。これは国の基本方針に基づき,市町村が5年から10年の期間を見据えた計画を策定するものでございまして,内容といたしましては,中心市街地の位置,区域を設定し,公共的な事業であります市街地の整備改善等,商業施設の整備を柱とする商業等の活性化を一体的に推進するための方策を検討するものであります。 そして国では,これら具体的事業を円滑に遂行するために,街づくりのプロデューサーとしてのTMO,タウンマネージメント機関でございますが,これを設置することを考えているわけでございます。さらにこの役割を担うものとしては,市町村及び中小小売商業者,中小小売業者は3分の1以上でなけりゃならんというふうな規定でございますが,これから成る第3セクター,また商工会議所などを想定をいたしておりまして,福井市としてもこの国の方針に従って進めてまいりたいと,このように考えております。いずれにいたしましても,中心市街地の活性化は民間事業者と一体となって推進することが不可欠でございまして,中心街整備推進協議会はもとより,市民の皆様からのさまざまな意見を取り入れながら,中心市街地としての位置づけを行い,熟度の高いすぐれたプランを策定し,具体的事業の実施に向けて取り組んでまいりたいと,このように考えておりますので御理解を願いたいと存じます。 以下につきましては,それぞれ部長等から答弁をいたします。 (商工労働部長 木村健君 登壇) ◎商工労働部長(木村健君) 中心市街地の空き店舗対策につきまして,お答えを申し上げたいと存じます。 議員御高承のとおり,全国的に地方都市が直面している問題として都心部の空洞化,中心街の活力低下がございます。本市も同様でございまして,中心部の八つの商店街の店舗数,平成6年度には421店ございましたが,平成9年度には388店となっております。したがって,33店の減少でございます。そのうち17店が駅周辺整備事業に関連するものでございまして,残り16店が廃業など未利用となっているのが現状でございます。 このような状況の中で,私ども平成8年度には国庫補助事業として商店街空き店舗対策モデル事業,引き続き平成9年度には県及び市の単独事業といたしまして,都心部コミュニティ創造支援事業を実施をしてまいりました。これは,福井市中央1丁目地区の空き店舗を活用いたしまして,文化生活情報の発信や,若者を中心とした地域コミュニティの創造を図る目的で各種イベントやチャレンジショップを実施したもので,集客面からも大きな成果をおさめることができたわけでございます。 一方,同地域におきましては建物の所有者が家賃の引き下げを行うことによりまして,新たな若手企業家による出店の増加が見られ,その結果,商店街が活気を取り戻したとの報告がございます。したがいまして,今後とも魅力と個性にあふれた商店街づくりを目指し,ハード,ソフトの両面から支援をいたしてまいりたいと存じます。そのことが,また空き店舗の解消にもつながるものと考えておりますので,御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 (総務部長 桑野正暁君 登壇) ◎総務部長(桑野正暁君) マルチメディア事業につきまして御回答申し上げます。 御指摘のとおり,郵政省の補助施策にマルチメディア関連事業が二つございまして,一つはマルチメディアパイロットタウン構想でございます。もう一つは「マルチメディア街にぎわい創出事業」でございまして,御質問の趣旨でございますと,街中にぎわい創出事業がより有効な施策であろうと考えているところでございます。この事業につきましては,行政手続や行政情報,タウン情報の入手など地域情報の提供ができる機能や,マルチメディアを活用しました展示,研修機能をあわせ持つ施設を整備した場合に,2分の1の国の支援が得られる施策でございます。 本市は,平成7年度,8年度にかけまして,市内に光ファイバー網を整備をいたしまして,CATVの提供地拡大を推進し,情報格差の是正を図ってまいってきているところでございますが,情報の受発信基地となる施設を中心市街地に整備することも活性化施策の一つであろうと考えております。そのため,国の支援のもとに行政チャンネルの送出設備やCATVのオープンスタジオを整備し,あわせてインターネットを初めとするマルチメディアを活用した展示,研修施設として,企画,立案することが可能であると考えております。今後とも,本事業につきましては11省からなる関係省庁がかかわってございますので,これらの情報交換を密にいたしまして研究討議をいたしていきたいと考えております。 以上でございます。 (都市政策部長 舟木壽君 登壇) ◎都市政策部長(舟木壽君) 福井駅周辺整備事業についてお答えをいたします。 福井駅周辺土地区画整理事業の仮換地の対応でございますが,地元権利者に対しまして個別に再開発への参加と意向をお聞きいたしまして,11年3月末,仮換地指定に向けて,現在作業を鋭意行っているところでございます。 また再開発ビルへの対応でございますが,再開発事業に対しましての地元の意見,また今日の経済情勢の中では大変厳しいものがございますが,再開発事業の中身をもっと知りたい,また代表的な権利変換モデルを説明してほしい等という権利者の方もおられます。このような権利者を中心に,今後とも引き続き勉強会を行い,再開発事業に対する御理解をいただきながら進めていきたいと思っております。 昨年度,地元権利者にも整備方針として示しましたように,いわゆる手寄地区の再開発事業では,公共公益施設を導入した複合核施設を計画しておりますが,再開発事業の保留床を取得する予定でございまして,行政だけで土地を取得して施設を建設することは,今日の財政事情等から困難と思われるわけでございます。いずれにいたしましても,現在行っております鉄道高架化事業駅周辺土地区画整備事業は,21世紀の県都発展のためには一日も早く完成しなければならない事業であります。今後とも,地元権利者の方々の御理解,御協力を得ながら,一生懸命進めてまいりたいと思いますので,御理解のほどをよろしくお願い申し上げます。 以上でございます。 ○議長(伊東敏宏君) 次に30番 西村高治君。 (30番 西村高治君 登壇) ◆30番(西村高治君) 日本共産党の西村高治でございます。私は,酒井市長の進める財政再建計画,財政危機の要因となった公共事業問題,また行政改革の諸問題,さらにごみ,ダイオキシン対策,また原発問題等について質問を行います。 まず財政再建計画についてであります。この12日に,97年度の経済成長率がマイナス0.7に落ち込んだという発表がありました。消費税増税,医療改悪など9兆円の国民負担増が消費落ち込みに拍車をかけ,かつてない大不況をもたらしたことは今や明白であります。政府が打ち出した16兆円の総合経済対策も,その中心は7兆7,000億円の公共事業の追加で,一部のゼネコンの利益にはなっても消費を拡大することは期待できないというのが大方の共通した見方であります。今,こうした状況の中で,地方自治体の多くが財政危機を招き,財政再建に取り組んでおります。 福井市の借金,市債残高は一般会計だけで662億円,特別会計,企業会計を含めますと1,626億円,これは市民1人当たり64万円にもなるわけです。その元利償還が増大し,今年度は利子で30億円,元金54億円,歳出の1割を占め,財政硬直化の大きな要因になっております。財政再建の目標は言うまでもなく,この増大した借金を減らす方向に踏み出すことであり,そのためには単年度の赤字を少なくし,解消する。また市債発行については,返済する市債元金より少なくすることであります。この点につきましては,2月の議会での私の質問に,財政部長もそのことを強調いたしました。 今議会に提案されております6月補正予算,今年度の予算全体が,それで明らかになりました。それによりますと,職員給与費を大幅に削減する一方,政府の総合経済対策に協力して新たに公共事業を追加,その分の市債発行も5億8,844万円の追加で,減税補てん債の10億円を含めますと,この6月補正だけでも34億3,680万円の市債を追加計上いたしております。今年度の市債元金の返済額は54億円,新たに借金する額は,20億円の減税補てん分を除いても58億9,260万円,財政再建の初年度からさらに借金,市債を上積みするというものであります。20億円の減税分につきましても地方交付税で手当されるというものの,市の借金には変わりありません。財政再建の目標,見通しを改めてお聞きいたします。市長の答弁を求めるものです。 次に財政再建の目標をどのように達成していくかについてお尋ねいたします。 市は徹底した歳出削減を図るということで,一般管理費の10%削減,また単独事業30%削減,人件費の抑制等を進めております。その結果が,当初予算でも明らかなとおり,ひとり暮らし老人乳酸菌飲料配布事業の50%削減や,月1回程度の各地域でやっている給食サービス事業の削減,また地域住民福祉活動推進事業私立保育所運営費など各種補助金の削減など,福祉住民サービスの切り捨てであります。一方,財政危機の大きな要因となっております大型プロジェクト事業など公共事業の抜本的見直しは,いまだに明確に示されておりません。 政府の過去6回にわたる景気対策に追随した結果,市の公共事業は急激に増大し,借金をふやしてまいりました。公共事業の拡大と財政再建を同時に進めようとすると,どうしても市民向けの福祉を削らないとだめだというのが,今の構造的な問題であります。我が党はこのようなやり方には反対ですが,同時に市民の側から見て,当面の景気対策,特に雇用の場を確保するという問題,また財政再建の問題,さらに市民生活,福祉の向上をどうやって統一的に進めていくのか。この問題は,福井市の実情に応じて解明することが重要だと考えるわけです。 今,市が財政再建の6カ年の全体計画を何も示さないままやっていることは,財政再建に名をかりて,福祉や教育あるいは中小業者の商工費など,市民生活,市民サービスの抑制,職員の人件費削減などであります。市民生活に必要で,毎年進めていかなければならない公共事業は,当然計画的に予算化する必要はありますが,公共事業の大体4割が借金ですから,公共事業を基本的には減らして,福祉,医療,社会保障を拡充していくことが,今日の景気対策,財政再建,市民生活向上の三つを統一的に進めていく最大のポイントだと考えるわけです。この点についての市長の見解をお尋ねいたします。 財政再建計画の全体計画,また年次計画,さらに財政の収支試算がいまだに出されておりません。この間,どのような検討を行ってきたのか,その検討の経過を明らかにすべきであります。議会にも財政資料を出すべきですし,中間的な報告は当然やるべきです。この点についても,明快な答弁を求めます。 次に大型事業の見直しと今後の公共事業のあり方についてお尋ねいたします。 今,取り組まれております大型プロジェクト事業については,計画がスタートしているからとか継続事業だからということで,抜本的な見直しができないということであれば財政再建も進まないし,ますます市民生活,市民サービス面を犠牲にすることになります。福井駅周辺整備事業については,県が主体の連続立体交差事業が総事業費583億円,市の負担はその6分の1,約100億円にもなります。市が主体の周辺土地区画整備事業につきましては総事業費が415億8,700万円,このうち市費持ち出しは186億円というものであります。福井駅を挟んで東西市街地の一体的な高度利用,都市機能の高度化を推進し,21世紀を目指した県都の玄関口にふさわしい活力と個性的で魅力あふれる街づくり,これがねらいですけれども,今の経済情勢,市の財政力を踏まえて,計画の見直し,事業費の削減,これを取り組むべきではないでしょうか。 またフェニックスパーク計画は,総事業費が380億円という一般会計の半分近い事業規模ですが,これを20年間で進めるといたしましても,年20億円もの予算化をしなければならない大規模なものであります。財源の見通しもまるでない。今日の総合運動公園としての計画は白紙にして全面的に見直し,全体を緑地として利用し,施設建設は最小限にする,こうした思い切った見直しが必要ではないか。 さらに国民宿舎の移転改築,鷹巣リゾート開発事業は,ねらいとした民営化に乗る企業もつかめることができず,今日とんざした状況で計画は凍結ということでありますが,全国でこうした第3セクターがほとんど赤字で自治体の負担が増大している現在,この計画のとんざはむしろ喜ぶべきであります。凍結と言わず,白紙にするべきであります。そして新たに規模を縮小した国民宿舎再生計画を立てることを考えるべきであります。 また歴史博物館の建設計画は建設費が37億円とも言われておりますが,周辺整備を入れますと,さらに事業費は大きく膨らんでまいります。市民からの期待の声もありますが,それ以上に市美術館の二の舞にならないかという批判の声も多く出ております。公共施設づくりで豪華さを競うという弊害を指摘する声が,今全国で強く出ており,市役所内部でもそういう声が出ております。豪華なものをつくるということが目的になっていないかということであります。 これらの事業の見直し,これは当然行うべきであります。大型プロジェクト事業だけでなく,公共事業の中身が本当に住民型になっているのか。本当にその施設や事業が必要なものかどうか。また経済的に成り立つものか。目的や見通しに,しっかりした合理性のあるものを大事にしたいものであります。切実で必要な範囲のものにし,限られた予算をどうやって使ったら広範な市民の福祉要求にこたえられるのか。この視点が,今日重要だと考えるわけであります。この点で,市民生活の向上や当面の景気対策,雇用の確保にも大いに役立つ市営住宅や老朽校舎改築あるいは保育園の改修,施設のバリアフリー化事業,また歩道の段差解消や点字ブロックの整備などの公共事業に重点を入れることが,今日重要であります。さきに上げた四つの大型事業計画の見直しとあわせ,今後の公共事業のあり方についてお答えください。 次に行政改革の大綱等の見直しについて質問いたします。 5月28日の行革特別委員会で,市は平成7年11月に作成した第二次行革大綱と8年3月に作成した8年度から10年度までの実施計画について見直しを行い,12年度までの新行革大綱と実施計画を本年8月中に作成することを示しました。そして,今回の見直しの前提としているのが,昨年11月に自治省が出した「行政改革推進のための指針」という通達であります。政府が進める地方行革の特徴は,本来メスを入れるべき開発優先の浪費には手をつけずに,住民生活にかかわる制度や予算と人員を削減するというものであります。 市の基本計画でも自治省通達を正面に掲げて,行政サービスを量から質へと転換する行政改革を行うということを強調いたしております。そのねらいは,清掃業務や学校給食などの民間委託の拡大,幼稚園,保育園の統廃合,補助金の削減,あるいは使用料,公共料金など市民負担増,また職員定数の大幅な削減などであります。行政改革の中で財政再建を最重要課題として取り組むとしておりますが,結局,財政危機を福祉,教育,住民サービスの切り捨てと職員削減という住民犠牲,職員犠牲で打開しようとするものであります。我が党は,こうした本来の地方自治にも住民福祉にも反する行政改革には反対です。自治省通達による行政改革の見直しの方針は撤回するよう要求するものです。市長の見解をお尋ねいたします。 もともと本来の行政改革とは住民の安全,健康及び福祉を保持するという地方自治体本来の仕事を進めるにふさわしい行財政運営と体制を確立するために改革するということであります。財政危機の要因となっております大型プロジェクト中心の公共事業,政府の逆立ちした総合景気対策への追随と単独事業拡大を是正し,この面での浪費にメスを入れ,市民の暮らし,福祉,教育,地域産業を守る立場に立った真の行政改革こそ,今日進めるべきであります。 また行政改革を進めるというならば,行政情報の徹底した公開が前提であります。市の情報公開条例はありますけれども,今では条例さえ整えればいいという段階を卒業し,住民にとって本当に役立つ制度をつくるべき時期と,マスコミさえ主張いたしております。行革の見直しに当たっても,徹底した情報公開と市民や職員の意見を広く聞く機会を積極的に保障し,市民参加,職員参加で見直しを行うことが重要であります。5月の行革特別委員会での説明では,情報公開についても,市民参加,職員参加についても何の保障もありません。そんなことは必要ないという考えなのか,答弁を求めます。 次に廃棄物,ダイオキシン対策についてお尋ねいたします。 まずダイオキシン対策についてお聞きします。市民の健康と命にかかわる問題として,ダイオキシン対策は今日待ったなしの課題であります。ダイオキシン対策には,ごみの減量を減らすことが大前提ですけれども,特にダイオキシンの発生の元凶となると言われる塩化ビニールやベンゼン環を持つ発泡スチロールなどを分別して燃やさないこと,また焼却炉の改善や適切な燃焼,施設管理によってダイオキシンの発生を抑制することであります。そのためにも,ダイオキシンの汚染の実態を正確に把握し,ダイオキシン発生の原因を究明し,取り除く対策を機敏にとることが重要であります。 クリーンセンターの排煙のダイオキシン濃度の測定が明らかになっておりますが,土壌,水質の測定も,今日当然必要です。特にクリーンセンター付近は,かつて東山焼却場,埋立処分場として以前から使っていたところであり,土壌,水質の測定は極めて重要であります。この測定はいつ実施するのか,明確にお答えください。 クリーンセンターでの測定結果で三つの炉の平均が,一昨年は4.3ナノグラム,昨年は5.7と出たというように聞いております。極めて重大であります。厚生省が昨年1月に排出基準を改定いたしましたが,日本の場合は極めて緩い基準値になっております。この厚生省が示したダイオキシン排出恒久対策基準を短期間に達成する計画を立て,燃やすごみの中身の検討とともに焼却炉の改善を図ることが必要であります。いつまでに改善する計画を立てているのか,明らかにしていただきたい。 次に容器包装リサイクル法についてお尋ねいたします。 昨年4月から実施されましたが,今回の補正予算で,ペットボトルの市内全域での収集を10月から実施する収集委託料など1,905万円が計上されております。これは,リサイクル費用の六,七割を占める収集運搬費が自治体負担とされたためであります。今回の法律では,従来,業者として自主規制してきた小型ペットボトルの生産がこの法律施行と同時に開始され,小型容器が瓶,缶から一気にペット容器に変わり,容器包装リサイクル法導入によって,かえってペットボトルのごみ量がふえるという皮肉な結果になっております。自治体負担でなく,製造業者,利用業者負担にすることが必要ではないか。そのために容器包装リサイクル法の抜本改正を国に求めるとともに,製造業者,利用業者負担による回収,再利用を義務づける条例制定を検討するよう求めるものであります。見解をお尋ねいたします。 市町村のごみのリサイクル率の全国平均は9.1%,比較的進んでいる東京の多摩地域では,平均18.7%ということが発表されております。福井市の現状はどうなのか。資源を大切にし,焼却量あるいは埋立量を減らし,環境破壊を防ぐためにも,リサイクル率を早急に引き上げる必要があります。リサイクル率をいつまでに,どこまで引き上げる計画なのか。そのための具体的な対策を明らかにしていただきたい。 最後に,原発,プルサーマル計画に対する市長の考えをお尋ねいたします。 関西電力が高浜3・4号機で来春から計画しているウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を軽水炉で燃やす,いわゆるプルサーマル計画について,栗田知事は5月8日に,県民の不安を無視して,関西電力に対し国の安全審査を受けることを了承すると回答いたしました。これまで,プルサーマル計画について国民との合意が不十分としてきた立場からは,大きく後退した姿勢であります。プルトニウムはウランに比べて1g当たりの放射能の強さは1万から1億倍以上も大きく,軽水炉で長時間燃やすと中性子を吸収して高次化した,より有害なダーティープルトニウムがふえ,危険が著しく増大することが指摘されております。 政府は,プルサーマルを資源の有効利用と宣伝いたしておりますが,MOX燃料の再処理はウラン燃料の再処理以上に技術的に見通しはありません。資源の有効利用という以上は,MOX燃料の再処理が繰り返し行われることが前提ですが,この前提は今日ないわけであります。原発40年の歴史は,原発立地が住民の福祉や地域振興どころか産業の発展をおくらせ,ゆがめてまいりました。安全審査の容認は,危険なプルサーマル実施へ向けての取り返しのつかない一歩を踏み出したものであります。県民としても福井市民にとっても重大な問題であります。酒井市長は知事の態度を認めるのか,お尋ねをいたします。 政府や動燃に対する不信が依然としてぬぐい去られていない中で,もんじゅの再開をねらう動きも出ております。二十数万の県民署名でも明らかなとおり,県民の多くは危険なもんじゅは永久停止すべしという考えであります。市長の考えはどうか,お尋ねいたします。 原発の過酷事故の危険から市民の安全を守るために,原発の重点防災地域の拡大を国に求めるとともに,事故通報体制,また実効ある防災訓練,沃素剤の配置など,原発の緊急時対策を福井市でも確立強化することが必要であります。市の地域防災計画の中に追加すべきではないでしょうか。この点についても明快なお答えを求めるものであります。 以上で私の質問を終わります。 (市長 酒井哲夫君 登壇) ◎市長(酒井哲夫君) 幾つか御質問あったわけでありますが,私は原発問題についてお答えをいたします。 まずプルサーマル計画についてでございますが,去る2月23日に関西電力株式会社から福井県へ事前了解願が提出され,それを受けて,これまで県議会の方ではさまざまな角度から議論がされたようでございます。福井県では,それらの県議会での議論,また去る4月16日に行われました資源エネルギー庁長官との会談など,プルサーマル計画をめぐる一連の流れの中で,安全性を確認するということが最も重要との判断のもと,最終的な判断とは切り離して国の安全審査を受けることを了承したと聞き及んでいるところでございます。 しかしながら,プルサーマル計画を最終的に了解するかどうかにつきましては,さきの安全審査の結果の確認はもとより,新円卓会議の早期再開,国民合意の形成に向けた理解活動の促進,地域振興策の充実など,原子力政策の確立に向けた国や事業者の取り組みの確認とともに,さらなる県議会での議論,あるいは地元町の意見等を十分に踏まえた上で,改めて総合的に判断する考えのようでございます。つきましては,福井市におきましても,これら福井県の動向を注意深く見守ってまいりたいと,このように考えております。 次に高速増殖炉もんじゅの運転再開への動きについてでございますが,福井県では,さきのナトリウム漏洩事故の原因調査結果や,それに基づく指摘事項並びにその後の科学技術庁の安全性総点検の報告書及び原子力安全委員会の第三次調査報告書で示された改善すべき事項などを十分に踏まえた,もんじゅ全体の改善策を示すことはもちろんのこと,もんじゅを含めた高速増殖炉のあり方,さらには原子力長期計画での位置づけを含めた今後の方向性を明確に示し,十分な情報公開のもとで国の責任において国民的合意を得ることが必要であると考えられているようでございます。当市といたしましても,これら動向に注目していきたいと存じますが,御存じのとおり高速増殖炉は,これまでの経過もございますが,炉の性質から考えてその安全性は絶対的であります。したがって,その動向は極めて注意深く見守っていきたい,このように存じます。 最後に,原発にかかわる福井市としての防災対策についてでございますが,原子力防災に関しましては,基本的には国及び県の指導のもとに行われるものであると認識しております。つきましては,福井市といたしましても市民の安全確保にかかる認識は十分にいたしておりますが,国,県の原子力防災に関する一定の方向性が示された段階で対策を講じてまいりたいと,このように考えておりますので御理解を願いたいと存じます。 以下の質問等につきましては,部長から答弁をいたします。 (企画財政部長 奈良一機君 登壇) ◎企画財政部長(奈良一機君) 財政再建計画についてと,それから大型事業の見直しと今後の公共事業,さらに行政改革大綱等の見直しについての御答弁をさせていただきます。 まず財政再建でございますが,御案内のとおり本年度から15年度までの6年間を視野に,従来の発想を転換いたしまして財政体質を新しい時代に適合した形に衣がえをし,財政構造の改革を推進して財政の立て直しを行っていくことを,現在目指しているところでございます。行政は時代の進展に即応し,常に市民の期待にこたえる効率的な仕組みでなくてはなりません。それを行うのが行政改革であります。先ほど申し上げましたように,本市の財政改革は財政体質を新しい時代に適合した形に変えるということから,財政再建計画は行政改革の動向と不可分の関係にあるという認識でございまして,これと連動させながら行政改革の中の重要課題として進めてまいりたく存じます。その行政改革の中では,財政再建の大きな方向づけ,フレームあるいは数値目標等を織り込んでいきたいというふうに考えておりまして,その大綱を8月中に見直しを終えまして,明らかにしていきたいというぐあいに考えております。 そこで再建計画でございますが,再建計画を構築する際には,まず社会経済の情勢や国の減税を初めとする税制の制度的なもの,あるいは景気対策等の観点,さらには地方分権の流れ,そういった諸般の動向を見きわめる必要が,まずございます。そういった背景はございますが,本市といたしましては,まず根幹でございます主要事業等につきましては,事業の優先性,緊急性や投資効率度等を勘案いたしながら見直しを図ってまいりますほか,行政改革の視点も踏まえながら,今後策定を予定いたしております中期行財政計画との整合性を図りながら,今後進めてまいりたいというぐあいに思っております。 財政再建の中で,公共事業のほかに重要なポイントとなってまいります義務的な経費についてでございますが,今後,少子あるいは高齢化,さらには介護保険制度の導入など,福祉関係費の増大があるということは念頭に置きながらも,いわゆる市債残高が累増しないよう,元金償還額以下の発行はそのまま当然とっていきたいというふうに思っておりますし,さらに人件費の抑制等も取り組んでまいりたいと思っております。 義務的経費以外の一般歳出におきましても同様でございまして,優先度,緊急度を的確に判断し,行政の継続性を考えながら,市民にとって今何が必要かを慎重に見きわめ,進めてまいりたいと思っております。こういった意味からも,6月補正予算におきましてもこのことを基本に,でき得る限り考慮しながら編成をいたしております。いずれにいたしましても,間近に迫った21世紀が本市にとって明るい展望になるよう,財政構造の抜本的改革を目指して目下努力をいたしておりますので,よろしくお願いをいたします。 それから,大型事業の見直しと今後の公共事業ということでございますが,まず大型公共事業などの取り組みに対する基本的な考え方につきましては,第四次福井市総合計画の新基本計画を軸に,中期行財政計画を今後策定する中で事業展開をしていきたいということでございますが,まずお尋ねの,現在福井駅周辺整備事業及びフェニックスパーク計画国民宿舎再生計画,歴史博物館計画については,事業の規模,内容,さらには期間等についての見直しの作業を現在進めているところでございます。このようなことから,大型事業につきましては,先ほど申し上げましたが,今後策定する中期行財政計画等の中で,事業内容等を位置づけていきたいというぐあいに考えております。 それから二つ目のお尋ねですが,大変厳しい財政状況にありますものの,今年度の予算におきましては市民に密着した公共事業として,一般的な公共事業関係ございますが,その中でも児童館の建設や民間での福祉施設整備に対する補助など,できる限り予算配分に心がけたつもりでございます。しかしながら,今後の財政運営においては再建が至上命題でございますので,特に公共事業については,市民にとって何が有効かを十分に検討を加え,厳選いたしてゆきたいと存じておりまして,結果的にはかなりの圧縮をせざるを得ない状況になることと存じますので,よろしくお願いをいたしたいと存じます。 それから,行政改革大綱等の見直しでございましますが,行政改革大綱及び実施計画の見直しについて,もっと市民や職員の意見を聞くべきではないかとの御指摘でございますが,まず市民からの意見につきましては,公募による委員を含めて,各界,各層で構成する行政改革推進委員会の御意見や御提言を受けて作成をする所存でございます。また職員の意見については,各所属から提案された項目を分析する中で,行政改革推進本部機能を生かしたい,すなわち所属とのヒアリングは当然ですが,この本部内にワーキンググループを設置いたしましたし,また各部会長会あるいは幹事会など,十分にこれらの機能を生かしながら意見を聴して,実施計画に取り入れてまいりたいというふうに考えております。 次に民間委託や統廃合,補助金,使用料等にかかる見直しの件でございますが,市民生活の基本にかかわるものとして検討すべきではないかとの御指摘でございますが,民間委託は行政の簡素化,効率化を図る上で重要であるという認識でございまして,可能な限り拡大をしてまいりたいと考えております。 なお,民間委託を進めるに当たっては行政責任を十分認識いたしまして,さらに行政サービスの低下を招かないよう考慮する必要があると考えているところでございます。 また統廃合につきましては,地域の実情を十分把握する中で,地域の御理解を求めながら見直しを図ってまいりたいと考えております。 さらに補助金,使用料等の見直しでありますが,そのうち補助金では,機能,効果などを十分検討し,使用料等においては受益者負担の適正化を基本に,類似都市との比較検討する中で見直しを今後も図ってまいりたいというふうに思っておりますが,いずれにしましても行政のスリム化を目指しながら,今後,少子,高齢化など福祉政策への対応,また魅力ある街づくり,さらには産業の活性化など,新たな住民ニーズにこたえるためにも,これら行政改革,財政の再建化を進めなければならないと考えておりますので,一層の御理解をいただきたいというぐあいに思っております。 以上でございます。 (市民生活部長 林廣美君 登壇) ◎市民生活部長(林廣美君) 西村議員御質問の4番目,廃棄物,ダイオキシン対策についてお答えいたします。 まず第1点目のダイオキシン濃度の測定及び2点目のクリーンセンターにおけます改善計画,この件につきましては,昨日,高橋省一郎議員にお答えを申し上げましたとおりでございますので,御承知いただきたいと存じます。 次に3点目の容器包装リサイクル法に伴う収集運搬の費用,これを事業者負担とすべきと。これにつきましては,現行法の改正,さらには条例制定という位置づけをすべきとの御指摘をいただきましたが,この問題,基本的には国政レベルでの検討と制度としての位置づけが適切であると,こういう観点から,これまで本市といたしましては,地方六団体の一員でありました全国市長会や,さらには全国都市清掃会議を通じまして,国に対してその改善策を強く要望いたしているさなかでございます。 次に4点目のリサイクル率を高めることについて御質問をいただきました。御指摘にもありましたように,このリサイクル率といいますのは,ごみの総量の中で資源化すべきものを資源化しているという,この比重をあらわした指標でございまして,本市におけるこの値は,平成9年度ベースで申し上げますと10.6%となっているところでございます。このリサイクル率を高めるための対策といたしましては,事業系のごみの資源化への対応,これも重要でございますし,これらを含めまして容器包装リサイクル法の趣旨の徹底を,今後とも図ってまいりたい。 さらには,ダンボール及びその他の紙容器並びにその他のプラスチック容器との分別収集の具体化,これにつきまして,リサイクル法の完全施行年度が12年度でございますので,これをめどにしまして,今後国がつくりますマニュアルを,今急いでいるという情報をいただいております。このマニュアルに従いまして,その一つ一つ積極的に具体化に取り組んでまいりたい,このように考えておるところでございます。いずれにしましても,御指摘がありましたように廃棄物の排出をできるだけ減らしまして,そしてごみを分別,再生するという資源循環型社会の構築ということは,非常に今後の環境行政の中でも大切だと認識をいたしておりますので,今後ともさらなる努力を続けてまいりたい,このように考えているところでございます。 以上でございます。 ○議長(伊東敏宏君) 持ち時間が残り少なくなってきましたので,要望,意見にとどめていただきまして簡潔に願います。 ◆30番(西村高治君) 時間の範囲で再質問をいたします。 それで財政再建についてですけれども,年次計画や財政収支の試算,こういうものも8月中に明確にするということなのか,再確認をいたします。いかがですか,答弁求めます。 それから,いずれにしてもこれまで過去6回にわたる政府の総合経済対策に協力し過ぎて,いえば92年度は30億円,また93年度予算では148億円,95年度予算では79億円という,そういう公共事業を大幅にふやしてきた,その結果が今日の借金となってると思うんですね。初年度の10年度でも,金額は少なくなってますけれども事業費で10億円の新たな追加ということで,結局元金返済を超える新たな起債をするという,こういうことなんですね。こういう姿勢では,さきの財政再建の見通しはないんじゃないか,こういうように思うわけです。この点について,元金の返済以内に抑えるという,この大前提はこれは非常に弱いと言わざるを得ません。この点,明確な,再度お答えいただきたい。 それからあと,公共事業については,景気問題,市内での雇用拡大,こういう点からも,同じ公共事業のお金を使うにしても住宅建設とか市営住宅,あるいは校舎,保育園の整備とか,地元の業者に直接仕事が各方面にわたっていくような,そういう事業を今こそ行うべきではないかという,そういう私は指摘です。この追加補正で,市道の3─18号線,これちょっと例出すのはまずいですけれども,橋の橋脚の工事とか10億円の事業追加が出てますけれども,一体これで雇用の確保,新たな拡大,どの程度できるのか。それよりも,同じ10億円使って市営住宅なり校舎の建築をやればもっと数多くの雇用拡大にも結びつくと,こういうふうに思うわけで,そういう点でのあり方はどうなのか。そこも明確にメスを入れ,見直しをして重点を移すべきだと,こういうように再度指摘しておきたいと思います。この点についてのお考えをお答えください。 それから行革問題で1点だけ,情報公開を指摘したんですけれども,行革の見直しについて検討されるわけですけれども,そこに出されるさまざまな資料についても,即情報公開の対象にするのかどうか,これぜひすべきだというように思うんですけれども,いかがですか。その点についてだけお答えください。 以上です。 ◎企画財政部長(奈良一機君) 財政再建にかかる,いわゆる財政再建計画そのものを,いつの時点でどのような内容で明らかにするのかというふうな御指摘だろうと思いますが,一応行政改革特別委員会等で,財政再建の大きい枠組み,フレーム,数値目標的なものを検討して,その御意見を聴しながら組み立てたいというふうに思っているわけですけども,ある程度,同時並行でやらざるを得ない部分もありますが,一般的には社会情勢の変化とか,先ほどもちょっと触れましたが,国の動向であるとか税制がどうなるのかとかっていうふうな,そういった要因がありますので,精度の高いものをある程度していこうとするとちょっと時間がかかる要素があるんですけれども,その辺のことはもちろん視野に入れてやりたいとは思いますが,行政改革特別委員会で最終的に8月中に御検討いただいたものを,9月の初旬段階では明らかにしたいというぐあいに思っておりますので,その中で,今のところ財政収支のその試算についても,でき得ればお示しをしていきたいというふうに考えております。 具体的なその年次計画的なもので,どういう事業が落とし込んでいけるのかというふうなことになりますと,若干いろいろ地元との関係とか,御理解をいただくいろんな関係がございますので,具体的にそこまで行けるかどうかは今んところちょっと申し上げられかねますが,そういったことでございますので,中期計画の段階では明らかにできるのではないかというぐあいには思ってますが,財政収支試算と同じような形の中でできれば一番よろしいんですが,そういった背景がありますので財政収支だけはある程度,9月の初旬ぐらいには明らかにしていきたいというふうに思ってます。 それから,起債の発行がいわゆる元金償還額以上になっているのではないかというふうなお尋ねですが,これも非常に,地方自治体には国の動向といいますか,そういったものに結果的には左右されるわけでございまして,減税の措置であるとか,あるいは景気浮揚対策に対する福井市としての景気浮揚の呼応していくというふうないわゆるスタンスについては,やはり呼応せざるを得ないということにもなりますので,その辺の国との動向との関係がございますので,これらを我々は一応除外をいたしております。 いわゆる減税補てん債的な,いわゆる減税に伴います補てん債分20億円,あるいは経済対策としての起債を発行いたします5億7,000万円ほどございますが,これは別枠として考えております。したがいまして,それを除きますと額的には,通常ベースに置きかえますと,起債の発行額が53億円ぐらいになります。それに対しまして,10年度の起債の元金の償還額は54億4,000万円程度になりますから,それ以下に抑えてるという認識でございます。 また発行いたします減税のための補てん債あるいは景気浮揚に伴います,いわゆる起債の発行については,交付税でのいわゆる財源措置が出てくるわけでございますので,したがいまして,こういう観点から除外をした考え方の中で起債の取り扱いということをいたしておりますので,この辺は御理解をいただきたいと思います。したがいまして,財政再建でいっております新たな起債の発行については,元金償還額以下だという認識でございます。 それからもう一点の公共事業において,いわゆる選択をしながらやりたいということで,先ほど例で申されました道路については,これは福井市がどうしてもやらなければならないという観点でございますので,したがって,それ以外については,経済対策といえども本当に福井市にとって必要なもの以外はしなかったということでございますので,御理解をいただきたいと思います。 ○議長(伊東敏宏君) 答弁は簡明に願います。 ◎総務部長(桑野正暁君) 行政改革にかかわります情報公開でございますが,現時点でどのような資料が提出されるかわかりませんけれども,条例の趣旨に沿いまして,公開できるものは公開していきます。 ○議長(伊東敏宏君) 次に7番 吉田琴一君。 (7番 吉田琴一君 登壇)
    ◆7番(吉田琴一君) 社会市民の会の吉田琴一でございます。通告に従いまして,随時質問をさせていただきたいと思います。 なお,一部質問内容につきましては,昨日,きょうと,議員さんと重複する部分も多々ございますけれども,重要課題,問題として認識しておりますので,御理解をいただきたいと思います。 まず1点目といたしまして,環境政策の取り組みについて。ISO認証取得に向けた考え方についてお尋ねをいたします。 昨年12月,京都において地球温暖化会議COP3が開催され,2008年から2012年の間に二酸化炭素の排出量を6%に削減することが取り決められたことは,記憶に新しいところでございます。そして,この国際会議が我が国で開催されたことは,国民に,また福井市民に対しても,地球環境問題への認識を新たにする意味で大きなインパクトを与えたところでございます。 一方,このような地球環境問題を背景に,現在国内において,環境管理システムの国際規格であるISO14001,品質管理の国際規格であるISO9000の認証取得ラッシュが生じておりますことは,最近の新聞やテレビ等の報道により,御案内のとおりでございます。ISOとは国際標準化機構のことで,物やサービスの流通促進のため,世界に通用する輸出企業を育てる目的でつくられたもので,国際的な品質基準規格のISO9000シリーズが知られていました。近年は環境保全意識の高まりで,96年9月に発効したISO14000シリーズの一部で,環境に優しいかどうかの基準,規格を示すもので,日本環境認証機構が認証をするものとなっています。 このうちISO14001の認証取得は,とりもなおさず事業者がみずからの企業活動にかかわる環境問題の解決に向けて取り組んでいこうという姿勢のあらわれであり,かつ具体的な実践行動でもあります。私が知り得るところでは,ことし3月末現在,国内でISO14001の認証取得した件数は,県内の11事業所を含めて861件に上っております。またこの861件のうち,地方自治体でも千葉県の白井町と新潟県上越市の二つの自治体でも取得しており,今後,さらに認証取得を目指す自治体が急増していくことは確実と見られております。 そこで本市においても,これまで以上に行政,事業者,市民が,それぞれの立場で地球温暖化問題を初めとする環境問題に対処していく必要があると思いますが,まず福井市が行政として先導する役割を担う意味において,一つの行政組織体として,また事業所であるとの観点に立ち,環境問題の取り組みに率先垂範しなければならないのではないかと考えます。この意味において,福井市が,今後このISO14001の認証取得に向けた基本的な考え方について,理事者の御所見をお尋ねをいたします。 二つ目といたしまして,環境ホルモンの安全性についてお尋ねいたします。 これまで気づかなかった新たな環境汚染が世界各地で大きく問題化しており,とりわけ厚生省や環境庁では内分泌物攪乱化学物質という言葉で統一し,名称を「環境ホルモン」と表現しています。これはホルモンに似た化学物質による汚染で,知らぬ間に体内に入り込んでホルモンバランスを崩し,発育や生殖機能の異常を引き起こすと言われています。またこの化学物質は,必ずしも女性ホルモンとして働くものではなく,時として男性ホルモンとして作用することもあると発表されています。 実際に,世界各地ではさまざまな野性動物に環境ホルモンによる異常現象が報告されています。例えば,多摩川では都市下水排水口に住むコイは圧倒的に雄より雌の方が多いとか,アメリカの五大湖近くにすむ鳥は雄の数が減り,やっと生まれてきたひなも多数の奇形が見られている。またミシガン湖畔でミンクの養殖を営んでいたが,子供を全く産まなくなった。フロリダに生息するハクトウワシは80%生殖能力はない,イギリスではたくさん生息していたカワウソが完全に姿を消している。北ヨーロッパの北海沿岸を中心にアザラシの大量死や,地中海では島イルカが次から次へと死体が海岸に投げつけられたなど,数多くの実態報告がされています。加えて,近年では成人男性の精子の数が半減してきているとか,また生殖器異常が若年層を中心にふえているとも言われています。 これらすべて環境ホルモンが主な原因と言われており,ポリ塩化ビフェニール(PCB)や,ビスフェノールA(BPA),農薬のジグロロ・ジフェニル・トリクロロエタン(DDT),ダイオキシン,船底の塗料成分の有機すずなど,67種類もあると環境庁がリストアップしています。いずれにしても,環境ホルモンは生態系に及ぼす害は大きく,内分泌を侵し,臓器毒性で生殖器や免疫系,神経系を侵す連環作用を起こすと指摘されています。前に述べたように,動物だけと安心することはとんでもない間違いで,人間に蔓延したなら大変なことになることを,前兆,予兆を通して環境の危機を真摯に受けとめなければなりません。いかに微量であろうと,現実的にこれらの動物が環境中に残留し,人間に蓄積する可能性や蓄積している現状があるため,環境ホルモンの監視が必要ではないかと考えます。そこで子供たちの健康と安全を守る立場から,学校給食及び保育園の食器等の取り扱いについてお尋ねいたします。 ことしに入って,大阪市では全国に先駆けて,プラスチック食器で環境ホルモンとして言われているポリカーボネート(PC)の回収をメーカーに対して命じたと報道されていました。またPC製品メーカー2社が,ことし4月11日までに生産を中止を決めたとも,マスコミに取り上げられていました。一方,横浜でも学校で使われているポリカーボネート(PC)食器の調査を進めています。さらに東京都においては,食器やおもちゃ,カップめん,容器などを対象に動き出しています。その実験の結果,常温の水では食器から溶け出さないが,食器に熱湯や油,アルコールなど入れると,環境ホルモンのビスフェノールAがわずかながら溶け出すと報告されています。 我が福井県の公立の小・中学校で42校が,給食の食器にPC(ポリカーボネート)製品を使用していますが,本市の小・中学校では使用されていないとのことで安心したものの,公立保育園ではPC食器が使用されており,早急に取りやめるよう対策を講じるべきであります。また私立保育園などについても実態調査など進め,行政指導を行うことが肝要かと存じますが,お尋ねいたします。 そのほか,農林水産面では殺虫剤や除草剤,農薬に使用されているDDT,DDE,船底塗料,漁網の貝付着防止剤など用いられている有機すず。市民生活面では,合成洗剤など界面活性剤に使用のノニルフェノール,ごみ焼却で出てくるダイオキシン,PCB,おもちゃなどのプラスチック製品のPC。保健衛生面では,PC製品の哺乳瓶,乳児用マグカップ,ピルや更年期治療などに用いられている人工的に合成される女性ホルモンなどなど,これら微量の物質の濃度で,野生動物,実験動物の体内で内分泌系を乱していることが判明している今日,疑わしきは断固使用しないためにも,行政みずからが製品の安全性を調査し,規制していく必要があると存じますが,これらどのように環境ホルモンの危険性について認識されておられるのか,理事者の御所見をお尋ねいたします。 三つ目といたしまして,環境基本条例制定についてお尋ねいたします。 前でも述べたように,社会情勢の急速な変化に伴い,環境に与える化学物質の研究は日進月歩進められています。このことも踏まえ,環境基本条例の策定に当たり期待するところであります。まず本市においては,平成11年4月に向け,福井市環境基本条例を制定する運びとなっていますが,現時点での進捗状況をお尋ねいたします。 次に市民の声が十分反映された条例を策定するために,どのような具体的な考え方を持っておられるのかお尋ねいたします。 二つ目といたしまして,財政再建と遊休財産処分についてお尋ねをいたします。 まず財政再建計画についてお尋ねいたします。 本市の財政が大変厳しい中,酒井市長は予算編成方針の中で,新年度は財政再建元年の年にしたいと発表されたことは記憶に新しいところでございます。また新年度骨格予算とはいえ,抑制基調の極めて厳しい内容となったことも理解するところでございます。これまで市の財政状況は,90年のピーク時には52億円あった財政調整基金が約1億5,000万円に,91年に約42億円あった減債基金は3,000万円と,既に底をついている状況であります。 一方,借金は一般会計,特別会計,企業会計など,市債残高は9年度見込み総額で約1,600億円で,市民1人当たり約63万円の借金を背負っていることとなっています。さらに市土地開発公社など含めると,借金は約1,780億円ともなります。加えて,公債費比率は危険ラインの15%間近であり,公表されない債務負担行為など考えれば,危険ラインは突破している状況であります。これら背景には,バブル崩壊後の税収の落ち込みや公共投資による借金など,社会経済情勢の急変に主たる要因があることは御案内のとおりであります。こうした事態を受けて,当然のことながら行政改革,とりわけ財政立て直しを図るために,特に公共投資など市単独事業の30%削減など抑制に努力し,バブル期以前の水準に戻したいとの方針が出されたことは,私どもはやむを得ないものと理解いたしております。 さて平成9年度一般会計が,22年ぶりに過去最大の約10億円近い赤字となることが明らかになりました。こうした状況の中で財政危機の対応策として,市長ら特別職の給与7%から10%カット,管理職手当の6%から10%カット,そして一般職の給料の定期昇給の12カ月延伸など,全職員を対象とした給与削減計画が出されました。このような財政危機の最悪な状況をつくってきたことは,当然ながら行政の失策であり,このツケの一端を給与費の削減という形で補うことは,まことに遺憾であると思います。市長は職員の気持ちをいかに理解し,また財政危機を招いた原因と責任をどのように考えておられるのか,お尋ねをいたします。 また財政再建計画では向こう6年間の目標再建計画となっていますが,特に3年間の強化再建計画での今後の取り組み方として,7月初旬原案決定となっており,現時点での具体的な年次計画とどのような事業の見直しを考えておられるのか,加えて見直しによってどれくらいの経費削減になるのか,あわせてお尋ねいたします。 次に遊休財産処分についてお尋ねをいたします。 これまで公用財産として取得されている遊休財産の普通財産及び行政財産や区画整理事業など市街地遊休財産,また土地開発公社が管理している遊休地や借地など,当時は目的を持って購入されたものと存じますが,いまだ計画倒れのまま何十年も放置されたままの状態のものもあり,高い土地を金利を支払って購入し,今もなお高い金利に追い回され借金をしながら宝の持ちぐされになっている遊休地は,単純評価でも数十億円以上になるのではと推測いたします。いずれにしても,危機的状況の中で遊休財産の見直しを図り,一日も早く遊休地の処分に着手していくことが急務と考えますが,どのように考えておられるのか,理事者のお考えをお尋ねいたします。 三つ目に,本町通り地下駐車場利用拡大策についてお尋ねをいたします。 この地下駐車場がオープンしてはや1年6カ月,これまでの利用台数は,平成10年5月現在で延べ12万1,125台,1日平均232.5台,ピーク時の平成9年7月でさえ775台,最低で81台と,当初予定されていた1日平均1,240台を大きく下回っており,回転率についても,当初計算した3.51台が0.66台と5分の1程度と低調で,依然として伸び悩み,赤字駐車場となっています。これまで利用拡大を図るために,駐車場の誘導看板の増設や,入り口をわかりやすいように改良されたり,駐車場マップを作成したり定期券の発行をしたり,あの手この手で促進を行っていると伺っておりますが,今なお客足は厳しい状況であります。そこで,一層の利用拡大を図るため,今後の対策についてお尋ねをいたします。 まず時間延長についての考え方ですが,現在の利用時間は朝8時から深夜1時となっていますが,片町を中心とした繁華街の場所にしては早過ぎるとの声が出ています。ここには,多くの市民の方や県内外の方々の社交の場としてにぎわっていますが,ここで就労している人たちの足を確保することも視野に入れ,あと2時間程度は開設時間の延長をすれば,さらに利用者がふえるものと思いますが,いかがお考えかお尋ねいたします。 また当然ながら福井署と連携を取り,片町かいわいの違法駐車の一掃を進めることにより,同駐車場の利用を高めていく。またこの駐車場は,だるまや西武を中心とした商店街のアクセスが非常に悪いとの声も出ています。特に福井の気候は雨や雪が多く,このような商店街に行くにも,一たん地上に出て傘を差して大名町交差点を渡らなければならない現状であり,この駐車場を敬遠する大きな要因の一つとなっています。これら解消するためにも,地下道をつくり利便性をと,既に商工会議所やシンボルパーク建設促進協議会で要望が出されてきた経過がありますが,現状を考えた場合,真剣に具体化を図る時期と考えますが,お尋ねいたします。 さらにこの地下駐車場でも平日の30分間の無料駐車をと市民は望んでいますが,どのように市民サービスをお考えなのか,御所見をお尋ねいたします。 以上,私の一般質問を終わらせていただきますが,理事者の誠意ある答弁を期待いたしまして終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。 (市長 酒井哲夫君 登壇) ◎市長(酒井哲夫君) 議員から幾つかの御質問をいただいたわけでありますが,私はISO認証取得に向けた考え方,そして財政再建にかかる御質問につきましてお答えをいたしたいと存じます。 まずISO14001の認証取得についてでございますが,御指摘のとおり,地球温暖化を初めとする環境問題については世界的な対応が求められているわけでありますが,昨年12月に京都市で地球温暖化防止にかかる国際会議が開催されまして,これを契機に,我が国におきましてもさまざまな対策が今進められているところでございます。特に国の政策の一つといたしまして,ことし4月には地球温暖化対策の推進に関する法律案が国会へ提出されまして,二酸化炭素など温室効果ガスの排出を抑制するために,国,地方公共団体,事業者,国民のそれぞれの責務を明らかにし,国を挙げて環境負荷の低減に向けた取り組みを推進することと定められている次第であります。 また産業界におきましては,地球環境問題に関する国の取り組みあるいは環境に対する国民意識の高まりに注目をして,また国際的な競争力や信用力を高めるといった視点からも,環境管理の国際規格ISO14001の認証取得が活発化してきている状況でございます。さらに都道府県市町村におきましても,その認証取得に向けた動きが急速に広がりを見せておりまして,御質問にもありましたように,新潟県上越市などが既に取得をし,また約20の地方自治体が近い将来での認証取得を目指していると言われております。 さて御提案をいただきましたように,本市が一つの行政組織体としてISO14001の認証を取得することにつきましては,環境問題にかかる多種多様な施策を推進する中にありまして,市民,事業者に対する先導的役割を認識をし,その模範となり率先して実践するという観点からも,大変意義あることと理解している次第でございます。したがいまして,その認証取得に関しましては,本市が環境行政を21世紀に向けて総合的に推進する象徴的な施策と位置づけまして,環境基本条例の制定,環境基本計画の策定並びに公害防止条例の改定とともに,鋭意取り組みを進めていきたいと考えているところであります。したがいまして,これまでもこのISOの規格認証を既に取得をすべく,現在準備を始めているところでございますので,御理解を願いたいと存じます。 環境問題につきましては,全地球的かつ全人類的課題でございまして,地球規模で考えて,足元から行動することを基本に,今後とも議員各位の御理解と御支援をいただきつつ,行政と市民が一体となって最善をつくしてまいりたいと存じますので,よろしく御理解いただきますようにお願いをいたします。 次に財政再建計画についてお尋ねをいただいたところでございますが,このうち財政状況についてお答えをいたします。 本市の財政は,今さら申し上げるまでもなく,まことに厳しい状況に直面をいたしております。このような状況に立ち至った大きな原因,要因といたしましては,議員御指摘のとおり景気の低迷や国の減税措置により税収が落ち込んだことや,国の政策に沿いながら実施してまいりました公共投資など経済対策により,その後の公債費や維持管理経費などが増大をいたしまして,ひいては財政の肥大化,硬直化を招く結果になったものと認識をいたしております。 こうした状況を考慮しながら,平成9年度の財政運営につきましては,従来にも増して経費の削減や効果的な予算配分に努めたところでございますが,財政調整機能を持つ財政調整基金が底をつく中,消費譲与税や利子割交付金など,国や県から交付されます一般財源が予想を超える落ち込みとなりまして,やむなく赤字決算となる見込みでございます。こうした結果につきましては,私自身厳粛に受けとめております。そして,このような難局を乗り切るために,今回まことに苦しい選択でございましたが,職員の理解と協力を求め給与費の削減に踏み切ったものでございまして,よろしく御理解いただきたいと存じます。 目前に迫った21世紀に向け,明るい展望を切り開くためにも,一日も早く健全で強固な財政基盤を確立し,市民の期待と信頼にこたえてまいりたい,このように考えておりますので,御理解を賜りますようお願いを申し上げます。 以下につきましては,各部長等より答弁をいたします。 (市民生活部長 林廣美君 登壇) ◎市民生活部長(林廣美君) 環境政策の取り組みにつきまして,ただいま市長からお答えを申し上げました件を除きまして,以下2点について御答弁申し上げます。 まず最初に,環境ホルモンの安全性についてでございます。吉田議員も御指摘ございましたように,農薬,塗料,合成洗剤,さらにはプラスチック原料,薬品などの,この有害性が疑われている内分泌攪乱物質,いわゆる環境ホルモンにつきましては,生物の生殖,とりわけ人類の存続にもかかわる極めて重大な課題でございまして,具体的に議員御指摘いただきましたが,これからの環境行政の基本枠組みというものは,今,現時点におきましては私どもはおなじみとなっております,スウェーデンの環境政策の基本理念としておなじみになっておりますプローデント・アポイダンス,これは直訳いたしますと慎重に避けるという,慎重なる回避と,こういうぐあいに言われておりまして,これはもう少し私ども理解しておりますのは,危ないものは使わない,つくらない,この政策理念が,今後環境政策の枠組みの中に入ってくるものではないかと,これもう非常に中核をなす思想ではないかというぐあいに,現在認識をいたしているところでございます。 他方,現時点におきましては,環境ホルモンと人の生殖機能の低下等を含めました人体への影響,これにつきましては,いまだ医学的,さらには化学的両面にわたりまして定かでない点がございます。したがいまして,御承知のとおり,現在国におきまして総合的かつ具体的な調査研究を進める一方で,その法令を含めました体制の整備も行われているさなかのようでございます。ちなみに環境庁におきましては今年度,環境ホルモン緊急実態調査として,約70種類のいわゆる環境ホルモン化学物質につきまして,全国240カ所におきまして,大気,水質,土壌,生物の調査を実施する予定であると承知いたしております。 さらにまた厚生省におきましては,環境ホルモン物質の洗い出し作業,建設省におきましても,全国の代表的な一級河川におきまして環境ホルモンの影響調査を,いずれも今年度実施することのようでございます。こうした中で,福井市といたしましては,国の調査結果等の動向を踏まえながら県当局とも協調をいたしまして,市民に対します啓発,さらには必要な対策を具体的に講じてまいりたい,このように考えているところでございます。 次に3点目の御質問でございます環境基本条例の制定でございます。1点目の御質問の中で市長から御答弁を申し上げましたが,総体的な環境政策の枠組みの中でこの基本条例の制定に向けまして,来年4月1日施行を目指しまして,早ければ年内にも今議会に御審議をちょうだいしたいというスケジュールで作業を進めてるところでございます。 また御指摘いただきました市民の意見を反映するという点でございますが,極めて大事でございますので,条例の基本的施策に当たります環境基本計画の策定の段階で適切な配慮をさせていただきたい,このように考えておるところでございます。 また環境基本条例の制定に当たりましては市民にわかりやすい表現とするように,こういう御指摘もいただきました。これらは十分考慮させていただきながら,さらに自然的な,あるいは条件等を含めまして福井市の実情に応じた個性ある条例とさせていただくように,今努力をさせていただきたいと考えておりますので御理解いただきたいと思います。 以上でございます。 (福祉保健部長 石井信孝君 登壇) ◎福祉保健部長(石井信孝君) 環境政策の環境ホルモンの安全性についての中で,福井市の公立,私立保育園の食器等の取り扱いについてのお尋ねがございましたので,お答えをいたします。 議員御指摘の抗菌剤入りポリカーボネート製食器,用具等の問題については,承知をしているわけでございます。今,厚生省におきましては今回の事態を受けまして,抗菌剤入りポリカーボネート製の容器について検査体制の強化を図るべく,各都道府県に通知を行うとともに安全性の調査研究を進めることといたしております。しかしながら,福井市の保育園におきましては健康と安全を守る立場から,議員御指摘の点を踏まえまして,私立保育園の実態調査の実施も含めまして善処してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 (教育部長 奥津正男君 登壇) ◎教育部長(奥津正男君) 学校給食の食器等の取り扱いの御質問についてお答えをいたします。 お尋ねの食器類の取り扱いについてでございますが,学校給食において使っております食器につきましては,すべてポリプロピレンを使っております。またお盆につきましては,アルマイトを使用してるところでございます。したがいまして,現在マスコミ等で取り上げられております材質は学校給食には使用しておりませんが,昨今多くの化学物質が使用されておりますので,これらのことにつきましては,国や県の指導のもとに今後慎重に見きわめてまいりたいと存じますので,御理解をいただきたいと存じます。 (企画財政部長 奈良一機君 登壇) ◎企画財政部長(奈良一機君) 財政再建計画における事業の見直しと遊休財産の処分についてお答えをいたします。 財政再建につきましては,この件については各議員にお答えをしているとおりでございますが,とりもなおさず,歳入に見合った歳出を財政運営の基本とした再建の計画に,今後取り組んでいきたいというぐあいに思っております。議員各位並びに市民の皆様の御協力を賜りながら,着実に実行いたす所存でございます。 そこで投資的経費につきましては,大型プロジェクトの見直しを中心に慎重な再調整を進めながら,施策の一層の重点化,効率化を図りまして,バブル経済発生以前の水準をめどに縮減を図っていきたいというぐあいに考えております。また一般行政管理経費につきましても,なお一層の経費の節減に努めながら,社会経済情勢の変化に対応した総合的な判断により見直しを進めたいと考えております。 次に人件費などの義務的経費につきましても,行政改革の実施と歩調を合わせつつ,職員数の削減などを考慮しながら抑制を図っていきたいと思います。 そのほか,これも従来から申し上げておりますが,市債の発行額を当該年度の公債費の元金償還額以下に抑制し,財政の弾力性の回復を図ってまいりたいと思います。また予算編成手法の改革といたしまして,効果的な予算編成を図る仕組みとして事業別予算の導入にも現在取り組んでおります。 なお,これらの具体的な目標等につきましては,今後大型プロジェクトの見直しを含め,行政改革特別委員会での御検討の結果,あるいは中期行財政計画などとも調整を図りながら,より精査いたしまして実効性のある内容にし,今後明らかにいたしてまいりたいと考えておりますので,御理解をお願いをいたします。 次に遊休財産の処分につきましてでございますが,普通財産及び行政財産における土地の処分につきましては,市の財政の現況からして大きな課題だと認識をいたしております。御指摘の遊休地の処分ですが,昨日の田中繁利議員にお答えいたしましたとおりでございますが,非常に地価下落という困難性はありますものの,遊休地と目されるかどうかは十分検討させていただきたいと思いますが,その当時においては事業推進に役立った市有財産でございますが,これら全庁的に見直しを行う中で,適宜交換あるいは代替地としての利用も考慮しながら,可能なものは売り払っていく所存でございますので御理解を賜りたいと思います。 以上でございます。 (都市政策部長 舟木壽君 登壇) ◎都市政策部長(舟木壽君) 本町通り地下駐車場利用拡大についてお答えをいたします。 平成8年12月にオープンして以来,利用促進を図るためにあらゆる角度から種々の対策を講じてまいってきておりますが,現在も新たな対策を検討しているところでございます。御提案の開設時間の延長についてでございますが,現在は朝の8時から深夜1時までとなっておりまして,片町を中心とした,いわゆる繁華街でもあるため就労者の足を確保するという意味で,深夜3時ごろまで時間延長してはどうかという御提案でございますが,私ども調査いたしましたところ,現時点ではいわゆる深夜営業している民間駐車場におきまして十分な利用がないという状況でございまして,余り効果が期待できそうではないかなということに考えられるわけでございます。しかし,朝の開始時間の繰り上げにつきましては,サラリーマンの勤務時間から考慮しますと効果が期待できそうでございますので,これらも含めて前向きにひとつ検討をしてまいりたいと考えております。 また片町かいわいの違法駐車対策につきましては,昨年9月に富山市の繁華街における違法駐車対策の状況について,警察の方々,また市関係課と調査を行いましたところ,今後ともそれらの状況を視野に入れながら,警察及び関係機関と連携を保ちつつ,前向きに対処してまいりたいと考えております。 次に大名町交差点地下通路についてでございますが,福井市大名町交差点周辺地区整備県・市連絡会におきまして,現在鋭意調査研究を行っているところでございますので,今しばらく時間をいただきたいと思うわけでございます。 最後に30分の無料駐車の件でございますが,本町通り地下駐車場は,計画段階から周辺の民間駐車場を圧迫しないことが条件づけられておりますので,このことも含めまして関係機関と協議をしてまいりたいと考えております。いずれにいたしましても検討課題が多いわけでございますが,国の制約もある中で,今後とも市民のための施設として創意工夫に心がけ,あらゆる対策につきまして調査研究を行いながら,利用促進につながるように努力していく所存でございますので御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(伊東敏宏君) ここで暫時休憩し,午後1時10分から再開いたします。             午後0時6分 休憩──────────────────────             午後1時14分 再開 ○副議長(浦井美惠子君) 休憩前に引き続き本会議を再開いたします。 まず冒頭に,一般的呼称になってるかと思いますので,さんづけで呼ばせていただきます。 33番 石川道広さん。 (33番 石川道広君 登壇) ◆33番(石川道広君) 社会市民の会の石川道広でございます。議会の一員として加わらさせていただきまして,早いもので3カ月が過ぎました。この間,先輩議員はもとより市長,理事者,職員の皆様には温かく接していただきまして,大変失礼かとは存じますが,この場をおかりいたしまして心より厚く御礼を申し上げます。 またこの3カ月間を通じまして,一般質問の中でもるる御指摘等々もありますように,非常に厳しい状況のもとの,酒井市長を先頭にされまして一丸となって,「やさしさと活力のまちフェニックス福井」の実現に向けて,日々御奮闘賜ってますことに対しまして深甚なる敬意を表させていただきます。 私は,通告に従いまして,3点にわたりまして質問をさせていただきますが,何せ初めてのことでもございますし,何かとお聞き苦しい部分が多々多々あろうかと存じます。どうか皆様方の御寛容なるお気持ちを賜り,最後までの御清聴をよろしくお願いをいたします。 まず1点目といたしまして,雇用問題につきましてお尋ねをいたします。 私たちの生活を営む上で大きなウエートを占めています経済は,バブル経済の崩壊後,消費税2%の増税,さらには産業空洞化,また規制緩和等によります価格破壊,さらには金融破綻等々によりまして混迷を続けてきています。6月12日に経済企画庁が発表いたしました,いわゆる国民所得統計速報によりますと,1998年1月から3月期の国内総生産,いわゆるGDPでございますが,物価変動分を除きまして,前期比較で1ないし3%の減少,さらには年換算率で5.3%減となりまして,実質成長率は第一次石油危機後の74年度の0.5%を下回ります0.7%減で,事実上,戦後最悪のマイナス成長となりました。このような経済状況のもと,企業収益の悪化や貸し渋り等々によりまして,企業においては当然のことではありますが,設備投資等のいわゆる凍結,さらには後退を初め,企業防衛のための施策が新規採用数の減並びに凍結,さらには事業縮小,リストラ等々を見ましても明らかなように,進められてきていますし,さらには企業倒産が増大をしてきているところでございます。 また消費拡大等に大きく寄与いたしてきています賃金は,福井県を見ますと,先ほど県経営者協会の賃上げ妥結状況が出されましたが,会員企業79社の妥結平均額は6,209円,アップ率は2.41%と,前年比0.3ポイントのマイナスとなり,賃上げ率は福井におきましても過去最低となっているところでございます。このような混迷経済,さらには金融不安,雇用不安等々によりまして支出が引き締められ,消費力が弱まり,一段と景気そのものが悪化をしてきてる状況にあるところでございます。 つきましては,一つ目といたしまして,このような状況の中にあって,厳しい就職戦線を克服して心新たに社会人への仲間入りを果たしたにもかかわらず,2年から3年といった短い期間で離職する若年労働者が,近年特にふえてきているところでございます。さらには昨日,加藤議員からも指摘がありましたように,求人側と求職側とのミスマッチの問題,そういった状況に対しましては,昨日の商工労働部長の御答弁を賜りました。私は,違った視点から一つだけお伺いをいたします。 これらの要件を克服するために,企業,さらには関係行政で,いわゆるインターンショップが検討され,導入されてきてる部分がございます。それらの制度につきまして,やはり私どもも含めましてでもございますが,求職側の立場に立ったいわゆる対応をぜひお願いをしたいという立場でお聞きをいたしたいと思います。さらに広報,ほかのあらゆるメディアを通じまして,今言いましたような対応につきましても,今後御検討を賜りたいというふうに思います。この分につきましては通告から外れたことでございますので,御要望としてお聞きとめをいただければというふうに考えるところでございます。 二つ目といたしまして,5月29日,総務庁が発表いたしました4月の完全失業率は,前年同期比59万人の大幅増でございまして,全国的に290万人,この59万人の増のうち,離職原因はいわゆる解雇や倒産などによります離職者が,過去最悪の41万人という状況が出てきてるところでございますし,特に高齢者の雇用状況は深刻で,60から64歳の男性の完全失業率は,前年同月比4.2ポイント増の12.1%とはね上がる状況となり,ほとんどの方々が解雇,倒産による失業者として,求人倍率は20年ぶりの低水準の0.55倍となってきてるところでございます。 福井公共職業安定所管内におきますと,求人倍率はもちろん職種によりますばらつきは見られるものの,有効求人倍率は4月で男子0.92倍,女子で0.55倍となり,男子,女子ともに24歳以下の若年者並びに45歳以上の方々が厳しい状況に置かれてきてるところでございます。ちなみに45歳から54歳の有効求人数164名に対しまして,有効求職者数は319名になっているところでございます。そういった立場から,雇用対策の充実と円滑な推進が,関係機関,団体,また行政の連携のもと急務になってきている状況と言えると思います。 したがいまして,当市として厳しい財政状況にありますことは十分認識をいたしているところでございますし,また行政改革特別委員会におきましての論議内容,また一定程度の方向性につきましても承知をしているところでございます。大変,非常に心苦しいわけではありますが,雇用問題を率先して行政としましても取り組むべきだという立場におきまして,当市におきましても,例えばといたしまして自己都合退職者の補充を行っていくべきだと考えます。何とぞ前向きな御見解をお尋ねをいたすところでございます。 三つ目といたしまして,金融不安,消費低迷等々の厳しい状況の中,御奮闘いただいている中小企業の育成は,雇用の場を確保する上からも重要と認識をいたすところでございます。このことにつきましては,昨日,補正予算概要説明のところで,酒井市長も発言をされているところでございますし,ぜひ,また予算的裏づけを見ましても手だてがされていることにつきましては,心より御礼を申し上げるところでございます。よって,いわゆる新聞紙上でも貸し渋り等々の話題が絶えず指摘をされてるところでございますので,貸し渋りの現状と育成資金の雇用状況をお伺いいたしますとともに,今日の状況の長期化を懸念する立場より,運転資金,設備資金,また運転設備併用資金等のいわゆる中小企業育成資金における融資限度額の見直しを図るべきだと考えますが,御見解をお尋ねをいたします。 四つ目といたしまして,さきに触れさせていただきましたように,中高年者の失業率が増大をしている状況を認識いたしますと,雇用創出を図る施策の一つとして,雇用奨励金の活用があると存じます。ただ,御案内のとおり,現在の制度では受給できる範囲は雇用時点で60歳以上65歳未満でありますが,先ほどから御指摘をさせていただきましたように,非常に45歳以上の方たちの離職等々が増大をしているということから言いますと,ぜひ受給要件の緩和につきましてお考えをお聞きいたしたく存じます。 次に2点目といたしまして,市民の移動手段につきましてお尋ねをいたします。 昭和40年代初めよりの高度経済成長に伴いまして,いわゆる所得倍増政策が推進をされ,全国的に消費拡大が顕著にあらわれる中,また国の経済政策としての自家用自動車産業発展に伴い,国民皆免許時代を迎え,マイカーの普及が図られてきました。このようなマイカー普及に伴い,今日的には,社会的問題といたしまして環境汚染,交通事故,エネルギー浪費等々を初め,これまで地域住民の足として大きく寄与してきました公共交通機関であります電車,バス等々の利用者減に対しまして,歯どめがかからない状況となってきているところでございます。 さらには,このような厳しい経営環境に追い込まれ,先ほど来,指摘しましたように,企業防衛のための施策として,やはり間引き運転,また廃線,廃止等々の施策が進められ,地域によりましては交通弱者と言われます子供,さらには高齢者,また障害者を初め自動車免許を持たない人々の移動手段がなくなる地域が,当市におきましてもふえてきてるところでございます。 せんだって,廃止されました地域にお邪魔をいたしまして,中学生と高齢者の声をお聞きする機会がございました。一様に,バスを何とかしてほしいとの切実な市民の声でございます。中学生は自転車で通学せざるを得ない。行くときは下り坂ですから20分ほどで行きますが,帰りは上り坂,当然行きよりも時間はかかります。さらには,今のような時期ばかりではございません。8月以降になれば,当然日が暮れるのも早いわけでございまして,また雨の日,風の日,自分を学校へ送ってくれるお父さんお母さんが,お仕事でいない。またどなたにも頼めないっていう状況の中,やはり自分で移動手段を確保しなければならない状況としてあるところでございます。 また高齢者の方にしてみれば,日野川のあの下水処理場におきます新しいスタイルの公園へ,例えばお孫さんを連れていこうとしましても,あそこの地域ももう既にそういった意味では移動手段が,公的な移動手段がないわけでございます。このような状況をとらえてみますと,今後も廃止地域が懸念されることは明白でありまして,このことは第3種生活路線が多い現状を見ましても,御案内のとおりでございます。つきましては,一つ目といたしまして,移動手段空白地域の現状をどのように認識しているのかにつきましてお尋ねをいたします。 二つ目といたしまして,近年,地球環境そのものが大きくクローズアップをされてきておりますし,今6月定例議会におきましてもいろいろ,るる御指摘がされているところでございます。昨年12月の京都会議におきましても,やはり地球規模で環境そのものを守っていくっていう立場に立ちまして排出量が決定をされ,確認をされてきたところでございます。このような環境保全を初め,当然限りがあります資源の有効活用,さらには高齢者が,我が福井におきましても全国平均より既に早く高齢化時代に突入をしてきてるところでございますし,またそういった意味では高齢者福祉,市民福祉の立場より,環境にやさしいまちづくり,福祉にやさしいまちづくり,活力あるまちづくりのためにも,公共交通機関等の維持,整備はもちろんのこと,生活路線の確保は必要であると考えます。よって,公共交通機関等の位置づけと整備につきまして,市民の移動手段確保の立場より,前向きな御見解をお尋ねをするところでございます。 最後でございますが,車社会の中で多発してます交通事故,加害者,被害者をつくらない環境づくりが,これまで以上に必要なときかと存じます。このような中で,安全な走行環境づくりの面で,街路樹剪定につきましてお尋ねをいたします。 この時期,葉が茂ることによりまして,信号,さらには道路交通標識等が見えにくくなる箇所が出るところでございます。お聞きいたしますと,担当部署の職員が業務の途中で気をつけながらチェックをしてるということでございまして,その部分につきましては敬意を表したいというふうに思うところでございますが,やはり安全な環境をつくるために,さらにはこれの問題につきましては,当然普通車と大型車ではおのずから目線が変わってきます。そういったことでは,いわゆる大型車を保有する関係企業,また団体等に要請をいただきまして,見えにくいやはり箇所を事前に把握をしていただき,速やかに対応すべきというふうに考えますが,御見解をお尋ねいたしまして,私の質問を終わらさせていただきます。 お聞き苦しいにもかかわりませず,最後までの御清聴に心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。 (商工労働部長 木村健君 登壇) ◎商工労働部長(木村健君) 労働行政につきまして3点お尋ねがございましたので,お答えを申し上げたいと存じます。 まず1点目,求人,求職者間におけるミスマッチ解消についてでございます。議員御指摘のとおり,今日の雇用情勢は大変厳しい状況でございまして,そのことは十分認識をいたしております。このような状況下にありまして,ただいま御提案のありましたインターンシップ制度につきましては,学生に就業を体験させ職業意識の向上を図ることにより,ミスマッチ解消につながるものと思っております。したがいまして,本市といたしましても,本年,県が商工会議所に委託をいたしまして,産・官・学で実施される運びとなりました地域インターンシップ制度を支援してまいりたいと,このように思っているところでございます。 2点目,中小企業育成資金の貸し付け状況と貸し渋りについてでございます。中小企業育成資金の貸し付け状況につきましては,平成9年度で188件,12億5,000万円余でございまして,対前年比35%増となっております。このうち,運転資金につきましては117件,7億6,000万円余で,融資総額の6割強となっておるところでございます。 次に中小企業育成資金の運転資金の限度額の引き上げについてのお尋ねでございますが,緊急経済対策の一環といたしまして,運転資金の限度額を1,000万円から2,000万円に引き上げるとともに,3億8,000万円の預託の拡充を図り,また支払い利子の2分の1の利子補給も実施いたしたく,これらに要する所要額を本議会に提案させていただいてるところでございます。 次に金融機関の貸し渋りについてでございますが,御案内のように,先般,福井県におきまして金融機関の代表者に対し,県内中小企業者に対する資金供給の円滑化についての要請をいたしているところでございまして,本市といたしましても,各金融機関に対し県と同様のお願いをいたしているところでございますので,御理解をいただきたいと存じます。 3点目,雇用奨励金制度の受給要件の緩和についてでございます。議員御指摘のとおり,中高年齢者の雇用情勢は大変厳しい状況であることは十分認識をいたしておりますが,この雇用奨励金制度は平成9年度までの制度でございましたが,国や県,企業の動向をかんがみ,この厳しい雇用情勢を乗り切るため,さらに平成12年まで期間を延長し,雇用の促進を図ってまいりたいと考えておりますので御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 (総務部長 桑野正暁君 登壇) ◎総務部長(桑野正暁君) 職員採用の考え方につきましてお答えを申し上げます。 人件費の抑制の中で職員数の削減につきましては,今日までも鋭意努力をいたしているところでございます。平成11年4月の職員採用につきましては,行政改革特別委員会での論議を踏まえ,定年退職者の補充はせず,ゼロという方針をお示しをいたしたところでございます。お尋ねのとおり,長引く不況の中で高失業率が続く中,行政みずからが率先して採用を行うという考えにつきましては十分理解できるところでございますが,今日の危機的な財政状況の中で,今後市民ニーズにおこたえをするためには,財政再建を最重要課題として推し進めることが極めて肝要であると考えております。したがいまして,このことを踏まえ,来年4月の採用につきましては,原則といたしまして途中退職者の補充についても行わない方針でまいりたいと考えております。 以上でございます。 (市民生活部長 林廣美君 登壇) ◎市民生活部長(林廣美君) 石川議員の御質問,二つ目の市民の移動手段,交通手段の確保につきましてお答えを申し上げます。 まず公共交通機関空白地域の現状についてのお尋ねがございました。運輸関連の統計によりますと,平成9年度におきます福井県の一世帯当たりの車の普及台数,これは2.38台となっておりまして,これは全国第1位でございます。またこの反面,年間を通じまして県民1人当たりがバスに乗る回数,これは13.5回となっておりまして,これは全国で45位,最下位から3番目,こういうことになっております。このように偏った地域の特性があります中で,路線バスが採算ラインを維持しまして十分なサービスを提供していくことは大変難しい状況であろうかと思いますし,このことは全国一律の国の補助制度だけでは地域の足すべてを守り切れない,こういう現状になろうかと思います。 3年間で,いわゆる補助が打ち切りとなります第3種の生活路線バスを経て,公共交通機関が通らなくなってしまった,いわゆる御指摘の交通空白地帯につきましては,廃止代替バス等の支援制度がございますものの,バスを再び走らせるための詳細な適用基準と,これは現実的にはないわけでございます。したがいまして,地元負担の同意をいただきました中での地域の皆様の強い要望などにゆだねられていると,こういったことが現状でございます。このことは,特に地方都市での過度のマイカー利用の弊害が,こうした交通空白地帯を招いているという認識を持っているところでございます。このような実情にかんがみまして,今後,こうした地域を解消するために,高齢化社会,さらには省資源,省エネルギーを初めといたします地球環境保全の視点からの客観的な基準づくり,これが必要であると考えているところでございます。 また他方におきまして,各地域の移動制約者,交通弱者という表現を使う場合もございますが,移動制約者を詳細に把握をした上で,その地域にふさわしい交通システムは何であるのか,行政と事業者,地域がどのような役割分担をするのかなど,さまざまな角度からの国策としての論議を深めていただく中で,助成制度の創設につなげることが寛容とも言えようかと存じます。このことが,議員御指摘の2点目のお尋ねであります環境,エネルギー,福祉面での公共交通機関の位置づけと整備につながるものと考えているところでございます。 ちなみに公共交通機関であります鉄道,バスは,輸送効率にすぐれておることは御案内のとおりでありまして,人一人を1㎞運ぶエネルギー消費量,これベースで申し上げますと,鉄道の場合を1といたしますとバスは約2倍,マイカーは6倍という報告もございます。またマイカーをガソリン1リットル分走らせようとした場合に,約2.4㎏の二酸化炭素を排出する,このことは地球温暖化防止という環境対策からも,鉄道,バスの果たす役割が今後極めて重要になってくると考えているところでございます。 一方,車に乗れないお年寄りなどが野外に出やすくなり,積極的な社会参加をサポートしていることにも,鉄道,バスの重要な役割があると存じますし,今さらこのことはもう申し上げるまでもないと思いますけれども,このような視点から,公共交通機関は市民生活を維持するため大切な社会基盤という位置づけができようかと思いますし,ガスや水道と同様な位置づけとして認識をすべきではなかろうかと考えているところでございます。 また他方におきまして,地球温暖化や高齢化問題,これらは私たちがこれまでに直面したことのない難題でございまして,近い将来,鉄道,バスの果たす役割が今以上に大きくクローズアップされるものと考えられております。したがいまして,議員おっしゃいました公共交通機関の位置づけと整備につきましては,御指摘のとおり社会的なニーズを背景といたしまして,環境,エネルギー,福祉,交通を束ねた総合的な施策として取り組むべきではないかと考えております。今後,こうした観点から,行政の立場からさまざまな機会を通じまして努力を重ねてまいりたいと存じますので,御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。 (建設部長 齊藤忠男君 登壇) ◎建設部長(齊藤忠男君) 御質問の安全走行の妨げになる街路樹の剪定についてでございますが,通常年1回,木の成長が停止する秋ごろ,道路構造令を参考にいたしまして,自動車や歩行者の通行に支障のないよう,剪定の高さなどの指示をしながら作業を行っております。また信号,交通標識が設置してある箇所の街路樹につきましても,運転者や通行者が確認できるように剪定を指示しているところでございます。 しかし,街路樹は植栽されている環境やその年の気候などによりまして成長の度合いや伸びる方向などが一定しておりませんので,議員御指摘のように,街路樹によっては枝が交通の支障になっておるものもあろうかと存じますので,パトロールや通行者の通報及び警察の指導など,支障の連絡があれば,その都度剪定を実施しております。今後とも,街路樹の伸びる季節のパトロールの強化を行うとともに,管理業者や関係機関とも連絡を密にいたしまして,交通の支障になる街路樹の剪定,管理に努めてまいりたいと考えておりますので,御理解賜りますようよろしくお願い申し上げます。 以上です。 ○副議長(浦井美惠子君) 次に4番 早川朱美さん。 (4番 早川朱美君 登壇) ◆4番(早川朱美君) 公明の早川でございます。通告に従いまして一般質問をいたします。 なお,きのう,きょうと質問が重なっている部分がございますけれども,私なりの観点で質問をさせていただきたいと思っておりますので,どうぞよろしくお願いいたします。 最初に,SIDS,乳幼児突然死症候群について質問をいたします。 本県における昨年1年間の出生1,000人に対する乳児死亡率は,全国平均3.7を大きく上回る6.1,新生児死亡率も3.6で,乳児,新生児とも死亡率は全国でトップであることが発表されました。また厚生省の人口動態統計では,出生率が過去最低の1.39であることも発表されております。乳児,新生児の疾病予防は,少子化対策の重要課題であると考えます。SIDSで亡くなった赤ちゃんは,平成7年526人,平成8年447人であると聞いております。乳幼児の死亡原因の4分の1を占めているSIDSについて,予防キャンペーンの実施は重要課題であると考えます。 SIDSを防ぐためには,SIDSのことを知ってもらう啓発活動が必要不可欠です。本年,3月定例会において,SIDSの予防について種々質問,提案をいたしました。母子手帳交付の際,パンフレットを配布することもその一つですが,今月,パンフレットもでき上がり,配布されることになりました。厚生省のSIDSへの対応は,欧米に比べ10年おくれていると言われておりますが,今回,厚生省に先んじた保健センターの取り組みは,予防知識の普及を図る上で適切な対応であったと評価いたしております。これが,今回保健センターでつくられましたSIDS予防のパンフレットでございます。これによりまして妊産婦への配布が可能となりましたので,啓発が非常に進むのでないかと期待いたしておる次第でございます。 過日,SIDSが原因で赤ちゃんを亡くされたお母さんからの訪問を受け,切実な声,要望を聞かせていただきました。SIDSを防ぐ方策についての広報教育活動が行き渡っていないことを実感いたしました。こうした観点から,次の2点について質問をいたします。 1点目,予防啓発の推進として,病院,保育施設への情報の浸透が不可欠です。正しい認識の周知徹底を図るため,看護婦,保母,保健婦対象の研修会の開催は必要と考えます。先進都市においては,園長,保母,保健婦,看護婦が参加して,SIDSの定義,診断上の問題,発生率などについて,各国の現状や対応についても研修し合っております。御所見を伺います。 2点目,赤ちゃんを亡くした家族に対するサポートシステムの確立,相談体制の整備が行政課題として上げられます。SIDSで赤ちゃんを亡くされたお母さん方からも,民間の団体であるSIDS家族の会との連携体制により心がいやされ,生きる希望につながったことが報告されております。SIDS家族の会が発行しているガイドブックを,各専門機関へ配布することも必要であると考えます。御所見を伺います。 これは,その家族の会が自費で出版しているパンフレットですけれども,家族の会への連絡先,また家族の会の紹介なども載っておりますし,また各医療機関,保母の機関に対してもガイドラインをこういうふうな冊子でつくっておりますので,こういったものの配布,御検討いただきたいと思います。 次に国際規格ISO14001の認証取得についてです。環境庁は,今回,「21世紀に向けた循環型社会の構築のために」と題した環境白書をまとめ,現在の経済社会システムは限度を超えて環境を破壊しており,早急に物質循環と自然との共生を確保する社会システムに移行する必要があると主張しました。 白書が指摘する具体策の一つである環境マネージメントシステムは,ISO14000シリーズに代表される経営手法であり,環境対策に自主的な取り組みを導入した点で大きな意義があると言われております。ISO14001は,国際標準化機構が96年に制定した環境マネージメントシステムでの国際規格であり,環境負荷を継続的に低減できるシステムを構築した企業,自治体などの組織に認証が与えられます。 環境庁では,平成7年に国の率先実行計画を全国の自治体に示し,この実行計画に基づき,各自治体では自治体独自の行動計画を策定し,目標値を掲げて実践しております。 こうした動きの中で,ISO14001認証を取得した先進都市があり,これからも取得を目指そうとする自治体の動きも活発化しております。よりよい環境を創造していくといった考え方,自治体も地球市民といった観点から,情報開示を含めた環境の自主的管理が必要となっております。 こうした中,環境負荷の継続的改善はもとより,コスト削減効果,職員の意識改革,情報の透明性を図れるなどISO14001の認証取得のメリットは大きいと考えます。また行政と民間が共通意識を持って環境の街づくりを進めることが必要であり,その手だての一つとして中小企業の認証取得の支援策である助成制度の導入ついて,以上2点にわたり御所見を伺います。 次にダイオキシン対策でございます。 史上最強と言われているダイオキシンは,発ガン性,出生異常を引き起こすと言われ,母乳中にも許容量を超えるダイオキシンが含まれているとの厚生省からの発表や,某焼却炉周辺住民の血液中のダイオキシン濃度が高いことが判明するなど,ごみ焼却場などからの高濃度ダイオキシン類の検出による住民の健康被害に対する不安が広がっております。 日本においてごみ処理は,焼却への依存度が高く,国内のごみ焼却施設は約1,850カ所と先進国の中でも群を抜いております。必然的にダイオキシン対策は発生源の規制が中心となっておりますが,こうした観点から,以下5点について質問をいたします。 1点目,現在国は,ごみ焼却場からの排ガス中のダイオキシン濃度の暫定基準を80ナノグラム,耐容1日摂取量を10ピコグラムと定めております。アメリカの0.01ピコグラム,スウェーデンの1ピコグラムと比べて,基準値の甘さが指摘されているところです。今回WHOの専門家会議では,ダイオキシンについて,健康維持の上で望ましい1日当たりの耐容摂取量を,現行の10ピコグラムから1から4ピコグラムに引き下げているとの結論を出しました。厚生省も見直しを避けられない状況ですが,本市としても,市民の命を守るといった観点から,市独自のダイオキシン濃度と耐容摂取量の目標値を設定しているのかどうか,お尋ねいたします。 2点目,先月12日に県から要請のあったごみ焼却炉周辺の土壌調査について実施されたのかどうか,もしその結果が出ているのであれば示していただきたい。 3点目,指定ごみ袋制度導入によるごみ焼却量の減少で,ダイオキシン濃度も減少していると期待をするものですが,クリーンセンターでの測定結果の推移を示していただき,前年度より数値がもし高ければ,その原因を示していただきたい。 4点目,クリーンセンターから排出される飛灰,焼却灰,排水の実態調査はなされているのかどうか。 5点目,市民にダイオキシン発生源の周知徹底を図り,さらなる協力を求める方針について。 以上,御所見を伺います。 次に環境ホルモン対策です。 現在,人類の存続に深刻な影響を与える環境ホルモンへの関心が高まっております。私の方へも問い合わせがありますので,次の3点について質問いたします。 1点目,一部マスコミの情報でしか得られない環境ホルモンによる汚染状況,人体への影響について市民の不安が募っております。正しい情報を提供し,市民への啓発,啓蒙の推進についてお尋ねをいたします。 2点目,環境ホルモンが,環境ホルモンであるビスフェノールAを原料としているポリカーボネート樹脂製の食器を学校給食,保育給食で使っているのかどうか,お母さん方から不安の声が寄せられております。学校給食,保育給食の食器について,安全であるなしにかかわらず,保護者に公表すべきと思いますが,御所見を伺います。 3点目,環境庁は,健康被害が発生してから対策に乗り出すこれまでの反省から,被害が顕在化する前に監視を強める予防政策への転換を目指していく方針をとるとのことです。体内蓄積型の化学物質に関する地域の知る権利の確立と,疑わしきは予防するという予防原則の観点に立ち,欧米に比べておくれている調査研究に早急に取り組み,被害が拡大する前に速やかに規制を実施すべきであることが指摘されております。こうした状況の中,大気,土壌,水質の調査実施についての取り組みについてお尋ねをいたします。 次に温暖化対策についてです。 地球温暖化防止京都国際会議で,日本は二酸化炭素の排出量が6%と決まり,削減に向けて各部門別の削減目標が示され,合計で8,360万トン削減することが決まりました。家庭やオフィスなどの民生部門に一層排出抑制努力を求める方針であることが報道されております。地方自治体や事業者に対しても実行計画の策定を要求しており,温暖化対策は市民の自覚と協力が基本となってまいります。地球温暖化対策について市民の協力が不可欠であるとして,3月の議会において種々質問し,提案したところであります。 こうした観点から,以下4点について質問をいたします。 1点目,本市における環境基本条例の進捗状況についてお尋ねいたします。 2点目,本市におけるアイドリングストップ運動の推進については,昨年9月議会で提案いたしました。本年4月から明年3月まで,地球温暖化対策についてと題して,市政広報でシリーズで掲載されるようになりました。4月10日付ではアイドリングストップ運動が盛り込まれておりますが,意識の高揚と広がりにはまだまだというのが現状です。さらなる啓発の推進についてお尋ねをいたします。 3点目,同じく3月議会で環境家計簿の普及について提案いたしました。女性の皆さんに話したところ,身近なことから温暖化対策になることがよくわかった。家族と一緒にエコライフに取り組みたいとの声が寄せられております。さきの環境展では,県が環境家計簿を備えておりました。環境家計簿といっても,このように簡便なものです。市民が興味をそそるような内容になっておりますので,公民館への設置でありますとか,市政広報と一緒に全家庭に配布するなど考えてはいかがかなと思います。市民への今後のさらなる啓発についてお尋ねをいたしたいと思います。 4点目,通産省は,今回温暖化ガスを排出しない太陽光発電施設を全国で40カ所,モデル事業として実施するとのことです。この環境調和型の災害時用エネルギー公共施設は,学校,公園,公民館などに設置する自治体に,施設整備資金として2分の1を補助するというものです。災害時の緊急エネルギー源として期待されるこの事業の導入について,御所見を伺います。 次に環境教育についての質問です。 地球環境問題への取り組みには,国民の理解と行動が重要ですが,長期にわたる課題であることを考えると,子供に対する環境教育の重要性を十分に認識する必要があります。 文部省は,地球環境問題は,21世紀に向けて大切であるということは学校教育の前提になっていると説明しております。しかし,環境という教科があるわけでもなく,現在においては社会,理科,技術家庭といった学科の中で環境を扱っているわけです。地球環境問題の特性を考える場合,さまざまな問題を総合的に理解することが大切です。学科別のそれぞれの立場から,別々に環境問題を教えることで済むものではないと考えます。地球環境問題は,世界を視野に入れた日本人を育成する教材でもあると言えると思います。 今直面している身近な環境問題としてのダイオキシン対策,環境ホルモン対策,温暖化対策をも含めた子供たちへのグローバルな環境教育について,教育長の御見解と今後の取り組みについてお伺いをいたします。 次に小規模橋梁の安全性について質問いたします。 市の公共施設の耐震震度は,財政が厳しい中,実施率は4%であり,診断によって補強工事が必要とされても手つかずの状態になってしまうことが指摘されております。公共施設と同様に,橋梁,特に小規模の橋梁について市民の不安の声があります。 3月半ば,春山1丁目の芝原用水にかけた橋梁路面の亀裂について補修の依頼がありました。担当課に補修を依頼したところ,老朽化が激しく,一部交通ができない箇所があることが判明いたしました。市民からの依頼があったからよかったようなものの,そのまま放置していた場合,事故が発生することは必定であります。事故を未然に防止することができ,本当によかったと思っておりますが,同じく芝原用水にかけた田原2丁目の小規模橋梁の高欄も崩れ落ちたままで放置している状態です。世界地震被災国の首長を招いての大きなイベント開催の陰で,このような実態に近くの住民から不満の声があります。 これら小規模橋梁は,震災後の復興後に建設されたまま,約40年から50年,手つかずの状態で経過しており,安全な街づくりについての行政の姿勢が問われております。 こうした状況を踏まえ,市はどのように安全対策をしていくのか,以下4点にわたり質問をいたします。 1点目,道路パトロールの点検活動の強化について。 2点目,耐震診断が見落としがちとなる小規模橋梁は,市内でどれだけ有しているのか。 3点目,これら橋梁の耐震診断と実態調査の計画について。 4点目,3月半ばから3カ月近く経過しておりますが,いつごろまで交通規制をするのかといった不満の声が私の方に寄せられております。まだ工事着工には至っておりませんが,付近住民への工事の計画を説明していらっしゃるのかどうか,お伺いをいたします。 現在,震災50周年記念事業が始まりますが,公共施設,橋梁等の耐震診断を行い,市民が安心して暮らせる街づくりをすることこそ,開催市としてのあるべき姿ではないかと考えるものです。御所見を伺います。 次に児童館の将来計画についてお尋ねをいたします。 近年の少子化の進行,共働き家庭の一般化等,子供を取り巻く環境の変化を踏まえ,国としても児童福祉法改正の趣旨に沿った施策を展開し,エンゼルプランの一環である緊急保育対策等五カ年事業を着実に実施するとしております。平成7年度を初年度とする緊急保育対策五カ年事業では,放課後児童健全育成事業,いわゆる児童クラブ事業を,現在の6,900カ所から本年1,000カ所増の7,900カ所,最終年度の平成11年には9,000カ所設置することを目標値と定めております。 本市としても子育てに意欲を持てる環境づくりや子供の健全育成への整備が進んではおりますが,まだまだ児童館が少ないのが現状です。女性の就労率,共働き率が高い本市においては,核家族化傾向の中,お母さん方から切実な声が寄せられております。 保育所では延長保育があったが,学校に入学したとたん預けるところがない。母親が勤めをやめなければならない現状にまでなっている。不況の折でもあり,次の就職が厳しくなることを考えると退職するわけにはいかない。夏休み期間中,一日じゅう一人で家に置いておくのは心配だ。一番近い児童館で預かってもらないのか等々,小学校へ入学した1年生の児童を持つお母さんたちの声です。 こうした中,児童館,児童クラブの設置は急を要するものであり,6月補正予算の中にもみのり地区と湊地区での建設に9,000万円計上されておりますが,将来の計画についてお尋ねいたします。 次に共働き家庭の一般化,核家族化の中,子供の健全育成と交通状況をも含めた子供たちの安全な環境づくりといった視点から,将来は小学校区ごとにこうした施設が必要であると考えます。市財政の厳しい状況下において,このような施設の建設が望めない場合,対応策を考えることは不可欠です。 平成6年に,厚生省,文部省,労働省,建設省の合意によるエンゼルプランが策定され,その重点施策に放課後児童対策の充実として,児童館,児童センターや実情に応じ学校の余裕教室などにおける放課後児童クラブの充実と掲げられております。いわゆる空き教室の有効利用でありますが,本市の空き教室は小・中学校で225室となっております。空き教室の有効利用については,今後重要課題となってまいります。現在まで空き教室利用は一向に進まなかったわけですが,この4省の合意による余裕教室施策を市はどうとらえていらっしゃるのか。お母さんたちの切実な声に対して市はどのように対応されるのか,御所見を伺います。 以上で私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。 (福祉保健部長 石井信孝君 登壇) ◎福祉保健部長(石井信孝君) 初めにSIDS(乳幼児突然死症候群)について,保健婦,看護婦ほかに対する教育とサポートシステムの確立についてのお尋ねがございましたので,お答えを申し上げます。 乳幼児突然死症候群につきましては,その原因といたしまして,脳の呼吸循環の不全で起きると言われておりますが,いまだその原因ははっきりと解明をされていないところでございます。また日本では,今までに約600人の方が亡くなっておると聞いております。 さきに,厚生省は,その要因を探り,その危険性を発表したところでございます。またSIDS家族の会も昨年4月からキャンペーンを始めまして,「仰向け寝で育てよう」など外4項目を定めまして運動を展開していることもお聞きをいたしております。 本市といたしましても,議員仰せのとおり,現在作成をいたしました啓発用のパンフレットを,母子健康手帳交付時に配布するとともに,各医療機関窓口におきましても,その啓発用のパンフレットとSIDS家族の会が作成をいたしましたガイドブック等につきましても,配布の協力をお願いを申し上げているところでございます。また知識の普及対策といたしまして,乳児健診,また乳児保育等に従事する職員を対象とした研修会や新生児の訪問指導時及び育児相談教室などにおきましても,SIDSに対する予防教育指導を実施をしております。そして健康な赤ちゃんづくりに努めてまいりたいと考えているところでございます。またサポートシステムの確立整備につきましても,また一つずつそれを進めていきたいと考えておりますので,よろしく御理解を賜りますようお願いを申し上げます。 次に環境問題,環境ホルモンの安全性につきまして,福井市の保育園の食器等の取り扱いについてお尋ねがございましたので,お答えを申し上げます。 議員御指摘のことにつきましては,きょう午前中の吉田議員の御質問がございました。今,厚生省におきましては,今回の事態を受けまして抗菌入ポリカーボネート製容器の検査体制を強化を図っております。また各都道府県に通知を行うとともに,その安全性の調査研究を進めているところでございます。 しかしながら,福井市の保育園におきましては,園児の健康と安全を守るため,御指摘の点を踏まえまして,私立保育園も含めまして善処してまいりたいと考えておりますし,また製品の品質表示にも注意をして,使わない配慮をしてまいりたいと思っておりますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。 また4番目の児童館の将来計画についてでございますけれども,児童館の設置につきましては,現在までに新館10館,公民館改修館4館を設置をいたしまして,児童健全育成事業を推進をしているところでございます。昨日,近藤議員さんの御質問がございましたが,遊び場の不足や,また交通事故の増加など,地域における環境づくりが緊急の課題となっております。 そこで,今後の児童館の設置計画についてでございますけれども,さきに策定をいたしました不死鳥ふくいエンゼルプランに沿いまして,現在までの基準を見直しをいたしまして,地域人口,あるいは学校児童数及び留守家庭児童数等の一定の基準を満たす地域におきまして,児童を取り巻く環境変化に対応すべく,それぞれの地域の実情も考慮しながら対応してまいりたいと考えております。 また昨年児童福祉法の改正もありましたし,その地域の実情に応じた放課後児童の健全育成が図られるような児童クラブ,またミニ児童クラブ等の施策を講じていく考えでございます。そして学校の空き教室利用等を視野に入れながら,検討してまいりたいと存じますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 (市民生活部長 林廣美君 登壇) ◎市民生活部長(林廣美君) 早川議員からの環境問題に関します御質問にお答えいたします。 まず1点目のISOの規格認証に関しましては,先ほど午前中,吉田議員の御答弁に対して市長から具体的にお答えを申し上げたところでございますが,次に福井市の中小企業における認証取得を支えるため,支援策として助成制度を導入してはどうかという点でございます。 このことにつきましては,現在今後行政の立場から,ISO規格の認証取得をお勧めをいたしまして,またその取得に向けての具体的に取り組まれます企業に対しましては個別的,あるいは具体的な助言を初めとして,指導の面で御支援申し上げてまいりたいと,このように考えておりますので御理解いただきますようにお願いいたします。 次に環境問題の2点目,ダイオキシン対策についてお答えをいたします。 まず5点のうちの1点目,本市におきますダイオキシン濃度耐容摂取量の目標値を設定しているのかどうかというお尋ねでございます。 ごみ焼却施設からの排ガス中の暫定基準,また一人が一生のうちに摂取しても1日当たりどこまでの量なら摂取が耐容されるかという判断される量,これはいわゆる耐容1日摂取量──TDIとも言っておりますけれども,これにつきましては私ども自治体の段階で目標値を設定するという形に具体的になるわけでございませんで,法令の守備範囲ということでございまして,この点については今後研究してまいりたいと,このように考えております。 2点目の本年5月,県から要請がございましたごみ焼却場周辺の土壌調査の結果についてのお尋ねでございますが,これも,昨日高橋議員の御質問にお答え申し上げましたとおりでございますので,御承知いただきたいと思います。 3点目のクリーンセンターの排ガス中に含まれるダイオキシンの測定結果でございますが,本年度の3炉の測定結果につきましては,昨年度の3炉平均の4.3ナノグラムに対しまして5.3ナノグラムで推移しているところでございます。 次に4点目の排ガス中に含まれます飛灰,焼却灰の汚染の実態調査。これにつきましては,クリーンセンターの安全な運営管理の面から,国,県の方針を見きわめながら,具体的に対処してまいりたいという考えでおりますが,御指摘のございました排水につきましては,クリーンセンターではすべて前処理を行いまして施設内で再利用しておりまして,クリーンセンター焼却施設からの排水はないということを御報告申し上げたいと思います。 最後に5点目のダイオキシン発生の抑制に関しまして,市民への周知協力を求めていくことは大切だという御指摘でございますが,このことにつきましては,これまでも機会あるごとに市民の皆様に対して,ダイオキシン発生の抑制を図る上でごみの5分別収集がその有効な手段の一つであると,こういう観点からお願いを申し上げてまいりましたが,今後とも周知徹底につきましては努力してまいりたいと,このように思います。 さらに今後ペットボトルの回収に関する説明会などを通じましても,御指摘のありましたことについて協力をお願いしてまいりたいと,このように考えておるところでございます。 それから3点目の環境ホルモン対策について3点のお尋ねがございました。 まず,これは基本的にはきのう吉田議員の御質問にお答えした部分と重複をいたしますが,御指摘のとおり,この問題は人類の存続にもかかわる極めて重要な問題,こういう問題であると認識しております。このような観点から,御質問の1点目の市民への啓発啓蒙の推進につきましては,御指摘の市民の不安を解消するため,今後とも環境ホルモンにかかわります多方面の情報収集に努めますとともに,今年度実施が予定されております国の調査並びに県の動向をも踏まえまして,市民への情報提供など啓発に努めてまいりたいと,このように考えているところでございます。 それからポリカーボネートの問題につきましては,それぞれ所管部長からお答えしましたとおりですので,省略させていただきます。 次に大気,土壌,水質に関する調査の実施につきましても,これも午前中,吉田議員にお答え申し上げましたとおりでございますので,御承知いただきたいと思います。 最後に,温暖化対策に対しまして4点の御質問でございます。 まず最初に,環境基本条例と環境基本計画に関する進捗状況はどうかというお尋ねでございます。 環境基本条例につきましては,これも午前中,吉田議員にお答え申し上げたとおりでございますが,具体的な行動計画となります環境基本計画につきましては,基本条例の中で計画の策定を位置づけまして,そしてこの環境基本条例制定の後,速やかに策定をしてまいりたいと考えておるところでございます。 それから次にアイドリングストップ運動,これに関する市民への啓発活動につきましては,市政広報を通じまして,今年に入りましてからも毎月1回,市政広報の中で「みんなでストップ地球温暖化」というシリーズを組みまして,各号の中で具体的な温暖化防止に向けた取り組みを御紹介申し上げているところでございます。 それから今,今月10日から14日まで5日間開催されました環境展の中でも,よりわかりやすい啓発活動を実施してまいりましたところでございます。 またパンフレットで御紹介いただきました環境家計簿につきましては,地球環境問題の啓発活動の中で,先導的な我が福井市におきましては,団体であります1万5,000人,5団体で組織をいたします福井市くらしの会の御理解をベースといたしまして,具体的に取り組んでいただくよう今後とも努力をしてまいりたいと,このように考えているところでございます。 最後に,太陽光発電施設を初めとする災害時用エネルギーのエネルギー公共施設,これにつきましてエネルギー源としては一定の有効性が,御指摘のとおり認められますものの,災害時の緊急的な対策として導入をするということについては,今後十分な研究が必要ではなかろうかというぐあいに考えておるところでございます。 以上のようなことを踏まえまして,環境問題全般的なことにつきましては,これはいずれも市民の皆様の理解と認識を高めていただくという観点から,公民館を初めといたしまして,地域の学習の場なども御利用させていただく中で,今後とも啓発に努めてまいりたいと,このように考えているところでございますので,御理解いただきたいと存じます。 以上でございます。 (教育長 梶川恭博君 登壇) ◎教育長(梶川恭博君) 教育委員会に寄せられました2点の御質問にお答えをいたします。 まず1点目,環境ホルモン対策の中の学校給食に使用している食器等の安全性につきましては,先ほど吉田琴一議員さんに部長の方からお答えをさせていただいたとおりでございます。 ただ保護者の皆さんに対するこの件についてのお知らせにつきましては,各学校の対応の現状を調べ,適宜対応してまいりたいと思っております。 次にダイオキシン,環境ホルモン,地球温暖化対策を含めた子供たちへの環境教育についてお答えをいたします。 環境教育は,現在小・中学校の理科,社会科,技術家庭科,保健体育,道徳,特別活動,その他地域と連携した教育活動において行われているほか,国語の説明文の学習におきましても,環境問題を題材にしたものを数多く取り扱っているところでございます。 議員御指摘のように,これからの人間生活において,子供たちが自然と共存する意識と行動を具体的に学ぶ必要性がますます重要視されているところでございます。ダイオキシンにつきましては,今まで児童・生徒が用いている教科書等には具体的な記述はございません。しかしながら,市内の小・中学校の技術家庭科のごみ処理や環境の学習におきまして,ダイオキシンの怖さなどを話題にしております。このような指導を通して,どの学校でも教室で出されるごみの分別収集の徹底,例えば反古紙のごみ箱へのポイ捨てをやめると,あるいはビニール袋は燃えるごみには入れないことなど,環境問題への身近で日常的な取り組みがなされているところでございます。 環境ホルモンについての学習の件でございますが,これはごく最近ニュースになり始めたばかりでございまして,教科書等にはもちろん触れられておりませんけれども,今後の大事な環境問題として考えていかなければならない課題だと思っております。 また地球温暖化につきまして,理科,社会科を中心として,小学校高学年から中学校におきまして今もさまざまな取り組みが行われているところでございます。 今後の環境教育の動向についてでございますけれども,国も中央教育審議会の中間まとめで環境教育を大きく取り上げております。特に2002年から開始される小・中学校の新教育課程におきましては,総合的な学習の時間が新設されることになっております。その中で,福祉教育,国際理解教育,情報教育とあわせて環境教育を一層充実させて実施することが示されております。本市といたしましても,未来を担う健全な地球市民の育成という立場から,これらについて環境教育も総合的に推進をしていく所存でございますので,御理解いただきますようにお願いいたします。 以上でございます。 (建設部長 齊藤忠男君 登壇) ◎建設部長(齊藤忠男君) 橋梁の安全対策についてお答えいたします。 御質問の1点目であります道路パトロールの点検活動強化でございますが,橋梁の通常の管理業務といたしましては,定期的に道路のパトロールにより点検を行っております。緊急を要する補修は,その都度施工しております。今後も安全な街づくりを図るため,道路パトロールによる活動の強化に努めてまいりますので,御理解をいただきたいと思います。 次に2点目の市道にかかる橋長15メートル未満の橋につきましては,約1,370橋ございます。また三つ目の耐震診断等実態調査の計画についてでございますが,平成8年から道路防災総点検により,橋長15メートル以上の橋につきましては点検を終えております。それ以外の橋梁につきましては,何分にも対象数が多く,一度に点検できないのが現状であります。今後,使用道路の経過年数の多い橋から優先に順次点検を行い,補修が必要な箇所については早急に進めてまいりますので,御理解を賜りたいと思います。 また四つ目の春山1丁目の橋梁の補修工事についてでございますが,施工時期につきましては,できるだけ早く着手できるよう努めてまいりたいと思いますので,御理解賜りたいと思います。 また市民の皆様への周知につきましては,町内会長さんを通じまして周知を図っておりますが,なおこうした工事に伴う交通規制や市民の皆様に対する周知につきましても,議員御指摘のとおり,今後とも苦情がないよう細心の注意を払ってまいりたいと思っておりますので,御理解賜りたいと存じます。 終わります。 ◆4番(早川朱美君) お答えの順番にちょっとお尋ねしたいと思います。 保育所給食の食器の安全性について,一部食器ちょっと安全性の見られないところがあるようなことも,先ほど吉田議員からのお答えでもありましたけれども,これについての公表はなされるということは,どうされるのでしょうか。 それから市民生活部長がお答えになりましたダイオキシン対策でございますけれども,ダイオキシンの濃度の測定推移,お示しいただきました。そして前年度と比較いたしまして,その数値が上がったのであればその原因について示していただきたいと質問の中で申し上げたんですけれども,それについてのお答えがなかったと思います。 それから最後の質問でございましたけれども,児童館につきまして,空き教室の利用ということについての今後の取り組みとか,そういった市のお考えというものを私は質問いたしました。それについてのお答えがなかったと思いますので,御答弁いただきたいと思います。 ○副議長(浦井美惠子君) 答弁は簡明にお願いいたします。 ◎福祉保健部長(石井信孝君) 議員の御質問の食器のその結果の公表についてでございますけれども,これにつきましては,教育長が答弁しましたように学校と同一歩調で進めてまいりたいと,かように考えております。 それから,空き教室のことにつきましては,先ほども申し上げましたけれども,学校の空き教室等の需要を視野に入れながら,児童クラブ,あるいはミニ児童クラブ等の施策を講じていくということで,御理解をいただければと思います。 よろしくお願いします。 ◎市民生活部長(林廣美君) クリーンセンターのダイオキシン値が平成8年度の4.3ナノグラムに対して9年度の5.3,つまり1ナノグラム上昇したその原因は何か,理由は何かと,こういう再質問でございます。 厚生省の,御存じのとおり,暫定基準は80ナノグラムでございまして,私どもは電気集塵式では極限状態で安全運転の今燃焼管理に努めているところでございまして,今お尋ねいただきましたけれども,私どもの領域では,1ナノグラム上昇したことについての原因結果の究明については,ちょっと自信もございませんし,御報告申し上げることができないのではないかと,御理解いただきたいと思います。 ○副議長(浦井美惠子君) 次に23番 西村公子さん。 (23番 西村公子君 登壇) ◆23番(西村公子君) 日本共産党の西村公子です。私は,深刻な不況の中で苦しむ市民の声を各分野から取り上げ,市政の抜本的改善を要求したいと思います。 まず最初に,消費税率引き下げと景気対策について4点お尋ねいたします。 今日本経済は,国内総生産にしても,失業率や中小企業の倒産にしても戦後最悪の深刻な状況となっております。農業破壊,多国籍企業化の進行による産業空洞化,地場産業の崩壊,規制緩和の名のもとに中小小売店がつぶされていくなど,地域経済の構造的な変化を背景に生産,雇用の悪化が進行しています。さらに昨年の消費税率引き上げ,医療制度改悪などによって9兆円の国民負担がふやされ,将来の展望が全く見えない状況に陥っております。 私たちのところへ寄せられる話でも,消費税が5%になって初の確定申告で限界控除の「特例措置」が廃止されて,これまで3万円だったのが30万円と10倍になったという業者,また飲食店の経営者は「消費税が5%になってから客足が目に見えて減っている」とか,「コストをできるだけ抑えているが消費税が5%になって営業が苦しい,何とかしてほしい」と行く先々で訴えられます。また家計への影響も夕食のおかずを一品減らすとか,高齢者の方はできるだけ外に出ないで動かないことだと節約の話ばかりです。 地域経済再建のためには,さきに述べた構造的な要因に対応することはもちろんですが,今緊急にやるべきことは,消費を冷え込ませた最大の原因である消費税をまず3%に戻すことです。 5月に行われた時事通信の世論調査でも景気対策として望むことのトップは,「消費税の引き下げ」が59.3%と6割が消費税減税を上げています。第一勧銀総合研究所の専務理事は「景気を本当に考えるならば,消費税率引き下げによる減税を断行すべきだ」と「実業の日本」6月号で述べております。また「週刊エコノミスト」でも,「今すぐ消費税率を引き下げることが景気回復と財政再建を両立させる道」と八田大阪大学教授が語っております。 消費税は最悪の不公平税制であり,将来は廃止することを目指して日本共産党は取り組んでいますが,このような深刻な不況から一刻も早く抜け出すための緊急対策として消費税を3%に戻すこと,そして2兆円規模の所得減税を恒久化するよう要求をいたしております。毎日の買い物のたびに減税になり,消費拡大に直接つながる不況打開の対策として消費税減税の世論を大きく盛り上げていくことが必要です。福井市としても,自民党政府に対して緊急に消費税を3%に戻すよう要求していくことが求められています。市長の見解をお尋ねいたします。 また福井市として公共料金への5%転嫁を3%に引き下げ,市民生活を守るよう要求いたします。10年度予算では全体で6億4,300万円にもなる消費税を,3%に下げれば2億5,000万円の減税となります。景気対策として位置づけて取り組むよう求めるものです。あわせて市長の見解をお尋ねいたします。 二つ目に,銀行の「貸し渋り」をやめさせ,福井市の融資制度を充実するということです。 銀行への巨額の財政資金投入にもかかわらず,銀行の「貸し渋り」は一向に改まっておりません。 先日発表された昨年1年間の自殺者総数は2万4,000人を超え,戦後5番目。特に倒産や事業不振,借金など「経済・生活問題」が17.6%ふえ3,556人で,自営業者や管理職が増加しています。 私たちへの生活相談でも借金問題が急増しており,ノンバンクに手を出して借金が雪だるまのように膨らんで自己破産せざるを得ない経営者が相次いでいます。日本税理士連合会のアンケートでも「貸し渋り」があったと答えた人が80%にも及んでいます。この「貸し渋り」によって消費者金融,いわゆる「サラ金」の大手5社は,この3月期の決算でいずれも増収増益で経常最高益を更新しました。消費金融のニッシン,これは松山市ですが──の社長は,「銀行などの貸し渋りが追い風になった」と読売新聞の取材に答えています。しかも資金調達という点でも,消費者金融は銀行,生命保険会社などから長期資金を借り入れており,金利も長期プライムレートに2%前後上乗せした程度,中には0.5%の上乗せで借り入れているところもあるということです。 これらの消費者金融が貸さなくなると,金利が50%ともいうようなノンバンクから次々と勧誘のファクスやダイレクトメールが入り,手を出せば短期間で破産に追い込まれてしまうわけです。国民に対しては「貸し渋り」する一方で,消費者金融には資金を回して銀行はもうけを上げる,国民は高利率のものを借りざるを得ないよう追い込まれているのです。全くひどい話ではないでしょうか。もちろん利息制限法や出資法に反する違法行為は厳しく取り締まることが必要ですが,このような実態になっているのも,そのおおもとに銀行の「貸し渋り」があることは明らかです。国による強力な行政指導が必要なことは言うまでもありませんが,福井市でも担保や保証人をこれまで以上に求められたり,希望額が借りられないなどの実態が出されています。市としても銀行,金融機関への申し入れ等の取り組みが,これからももっと極力な取り組みが必要だと考えますがいかがですか,お尋ねいたします。 さらに市の融資制度を改善することが求められています。 例えば,福井市の制度では設備資金や運転資金等にしか認められていませんけれども,金沢市では低利のものへの借りかえもできるようになっています。福井市でもできるようぜひ改善していただきたいと考えます。 またこれまでも再三要求している市としての無担保,無保証人の融資制度を実現し,ますます深刻になる不況のもとで苦しんでいる中小業者が実際に借りられるようにしていくべきだと考えています。市としての取り組みを明らかにしていただきたいと思います。 三つ目の問題は,公共事業や物品購入について県内の中小企業への発注を高めることです。 今,国や地方自治体が民間からの物品購入や公共事業で発注する官公需は35兆円にのぼっています。むだな巨大プロジェクトを中止し,老朽校舎の改築,福祉施設や公営住宅の建設,バリアフリーの道路・街づくりに重点を移すなど公共事業の中身を変えることが必要です。 例えば,本町通り地下駐車場は総額で約53億円かかっていますが,そのうち県内の中小企業が請け負った割合は11.6%,約1億1,000万円程度です。美術館は,展示工事を除いて中小企業が請け負っておりますけれども,特別な資材などが多く使用されているため,すべてが県内業者の仕事になっていないということです。 ことし1年間,意向重視型指名競争入札を試行するということで,これまでの基準が改められた点はありますけれども,これでどの程度中小企業への発注が高まるのか明らかにしていただきたいと考えます。この制度によると,土木工事で1億円以上2億円未満,建築工事で1億円から3億円未満,その他工事で1億円以上1億5,000万円未満とされていますが,県内の単体企業でももっと大きい工事の実績があるのではありませんか。今後さらにこの基準を引き上げていく考えを持っているのかどうか,お尋ねしたいと思います。 また物品購入については,多くが随意契約で行われておりますが,契約業者が固定されていて仕事が回ってこないという声があります。この点についても検討する必要があると考えますが,市の見解を求めます。 四つ目の問題として,国保税の引き下げについてお尋ねします。 深刻な不況の中で苦しんでいる市民,中小業者にとって最も重い税は国保税です。中小業者からの訴えは「最高限度額53万円,1期6万5,000円にもなると支払いややりくりに追われているときには払いたくても払えない」,年金生活者は「消費税や医療費の負担がふえて生活費が目減りしているので,国保税がますます重くなっている」などなど市民の切実な声が上がっています。国保税が引き上げられた昨年度1年間で,滞納が3億8,000万円を超えるものとなっており,9年度までの滞納総額が5億8,000万円に比べていかにふえているかは明白です。 全国平均より約2万円も高い国保税を引き下げ,市民生活,営業を守るべきではありませんか。特に自治体としてできる景気対策としても位置づけて,国保税の引き下げを実現するよう求めるものです。市長の見解をお尋ねいたします。 第2に介護保険問題についてお尋ねします。 2000年4月の介護保険法実施まで2年を切りました。しかし,政府が明らかにした内容に対して,国民から大きな不安がマスコミ等でも出されております。幾つかの問題点とともに,市の取り組みについてお伺いしたいと思います。 まず問題の第1は,過酷な保険料負担です。65歳以上は5段階に区分されますが,平均で月額2,600円,所得のない人からも月額1,300円を取り立てようというものです。ところが,現状では減免制度がないため,保険料を滞納すれば介護が受けられなくなるのです。保険料未納者はサービスを差し止めることが定められており,まさに「保険あって介護なし」と批判されのも当然のことではないでしょうか。減免制度を設けること,保険料未納者に対するペナルティーの条項は廃止すべきと考えます。市として国に要求していく考えを持っているのかどうか,お尋ねいたします。 第2に,介護のための基盤整備の目標を引き上げる必要があるという点です。 新ゴールドプランの目標は,介護保険の導入が想定されていない段階でつくられたものであり,見直しは当然です。介護保険導入によって利用者が増加することは明らかで,実態に見合った基盤整備がないまま導入されては,混乱が起きることは明らかです。 オアシスプランとの関係で見ると,例えばホームヘルパーの目標は,常勤94人に対して現在は53人,登録ヘルパーは同様に345人に対して122人,特養施設ヘルパーは30人に対して常勤6人と登録14人と目標に対して41.6%と前の目標の達成も困難な状況です。特別養護老人ホームの目標が975人に対して,現在の入所は880人とこの目標にはかなり接近しておりますが,一方で待機者は466人を超える状況となっており,施設の大幅な増設が必要です。 いずれにしても,目標を大幅に引き上げるとともに,国に対して財源の確保を要求していくことが求められますが,どのような見通しを持っていますかお尋ねいたします。計画を見直すために,市として実態調査を行うということですが,高齢者の生活実態を反映するためにも,アンケート調査だけではなく,聞き取り調査を行うべきです。この点どのように進めていくのかお答えください。 第3に,重い利用料負担の問題です。 介護保険法が実施されると,原則としてかかったサービス費用の1割の利用料が,収入に関係なく一律に取られることになります。在宅サービスの費用は6万円から29万円,施設入所の場合は自己負担の上限を設定するとしておりますが,そのほかに食費も必要となります。 福井市が現在行っているホームヘルパー派遣事業の利用者は601人,そのうち498人,83%が所得が低いため無料となっております。1割負担ということで,6万円から29万円にもなる利用料を一体払うことができるでしょうか。ですから,これまで無料の人は,無料の措置を継続させることが必要だと考えています。また新たにサービスを受ける人も,今の福祉水準が保障されるよう所得に応じた利用料の減免制度をつくるべきです。この点について,市として市民の実態を国に対して示し,対応するよう強く要求していく考えを持っているのかどうかお尋ねいたします。 またこの介護保険に含まれないホームヘルパーの派遣回数をふやすとか,給食サービスなどは「上乗せ」とか「横出し」給付とされ,これらは保険料の引き上げや自治体負担でやらせようとしておりますが,国は老人福祉法の理念に基づいて介護保険とは別に補助を行うよう要求することが必要です。この点についてもお尋ねいたします。 第4に,高齢者の生活実態を反映した認定基準にすることです。 市町村ごとに認定審査会が設置され要介護の認定が行われます。しかし,これまで厚生省が実施した要介護認定のモデル事業でも,さまざまな疑問と不安の声が福祉関係者から上がっています。福井市で行われたシンポジウムの中でも,家事援助サービスを受けられなくなるのではないか,家事援助は在宅の高齢者にとって必要不可欠のものであり,どうしても必要だという意見が出されていました。マークシート方式では正確な認定ができないということも言われています。高齢者の生活実態を反映するよう,身体的な面だけではなく,家族,住宅,経済状況など総合的判断ができるよう認定基準の見直しが必要です。また住民からの不服審査請求を処理する「介護保険審査会」は,都道府県に1カ所という基準ではなく,複数の審査会が必要です。これらの点についても市として国に要望することとあわせて,市独自に相談窓口を設けるなどの対策をとっていくことが大事ではないでしょうか。市の見解をお尋ねいたします。 第3の問題として,農業を守るための緊急対策についてお尋ねします。 日本共産党は,この4月に5つの柱からなる「深刻な不況から国民生活を守る緊急要求」を発表し,その実現に全力を挙げています。その中にこの農業問題を位置づけています。多くの農民は,「米はつくり続けたい。しかしこれだけ米価が下がってはやっていけない。どうしたらいいのか教えてほしい」という悲痛な声が上がっています。 この間,食管法が廃止され,新食糧法が3年前に施行されてから,ミニマムアクセスによる輸入米が95年の43万トンから,ことしは68万トンへとふやされる一方,米価や麦価は20年前の価格に引き下げられています。これではやっていけないという農民の怒りの声は当然です。 国民,消費者の声はどうでしょうか。総理府の世論調査で「将来の我が国の食糧事情について不安がある」と答えた人が,6年前の62.8%から70.5%にふえ,「食糧は外国産より高くても国内でつくる方がよい」と答えた人が,6年前の72.3%から83.4%にふえています。その他の質問でも,「農林漁業が自然環境や国土保全の役割を果たしている」や「放置すれば農林漁業を消滅させるような経済の力が働いている」に,「そう思う」と答えた人が6割を超えています。この国民の願いに余りにも逆行した自民党政府のやり方は許せません。国民の願いに沿って食糧自給率を現在の37%から当面60%に引き上げていくには,農家の経営と農地を守ることが緊急に必要です。 そこで,政府米の生産者米価を,当面60キロ当たり最低限2万円にすることが必要だと考えます。市として国に対して要求する考えを持っているのかどうか,お尋ねいたします。また国が動くまで待つというのではなく,自治体としての対策も必要となってまいります。例えば,埼玉県川島町では,米価下落の価格補てん制度をつくって,政府の補てん措置に上乗せして下落分を100%補てんするというものです。ぜひ市として取り組んでいただきたいと考えますが,見解をお尋ねいたします。 減反について言えば,この10年間に田に戻すことができなくなっている,そういった面積は10年間でおよそ30ヘクタールと言われております。 これまでの福井市のやり方は,国,県の目標に対して,毎年それを上回る減反を実施しており,果たして農家の意向が反映されているのかどうか大きな疑問です。農家の中には,目標を出されると自分だけ断ればほかの人に迷惑がかかるということで断れないということです。それぞれの地域農業の実態,主体的な条件など福井市の農業をどうしていくのかを十分検討した上で,柔軟に対応することが何より大切だと考えます。国に対して,補助金を出さないなど強制的な減反の押しつけをやめるよう要求すると同時に,市として農家の意向を十分に聞き,柔軟に対応するよう求めます。市の見解をお尋ねいたします。 二つ目に,農家の暮らしと営業を守るために低利融資を拡大することです。 国の認定農業者制度がありますが,税制上の特例や低利の資金が借りやすくなるなど有利な制度ですが,福井市では,個人,団体を含めてもわずか38しか対象になりません。わずかでも経営規模拡大をする意欲のある農家,農業を続けたい,やりたいという農家なら低利融資が受けられるよう国の制度や県,市の独自の融資を改善して,融資対象農家を拡大することが求められています。長野県伊那市では,認定農家になれない小規模な生産者を支援するために,独自に無担保,無保証人の低利の農業者育成資金をつくっています。低米価のもとで土地改良事業費の負担金が経営を圧迫しており,低利で一括借りかえができるよう市として改善されるよう要求し,見解をお尋ねいたします。 三つ目に,野菜価格安定制度の充実,改善についてです。 我が国の生産野菜は,94年には農業総生産額の22.4%にのぼり,日本農業の3本柱の一つです。低米価や減反による転作などによって,農家は野菜生産に期待をかけるようになっています。しかし,農家は「値段が不安定でばくちのようだ」などと不安の声が上がっています。消費者は価格さえ安ければいいと考えているわけではなく,ポストハーベストや着色など輸入野菜の安全性について憂慮しています。北の庄通りで日曜日にやっている朝市は,30分もしないうちに売り切れると大変な人気ですし,スーパーでも有機野菜の表示のものが売り上げを伸ばしています。新鮮で安心して食べられる野菜を消費者は望んでいます。 しかし,国の野菜価格安定制度は,発動基準が低過ぎるとか,対象が一定規模以上の指定産地から大消費地の卸売市場に出荷された野菜に限られるため,多くの産地と農家には何の恩恵もありません。補償基準価格を引き上げ,指定野菜,重要野菜の対象品目を広げることが求められています。高知県の本山町では,町と農協の出資による農産物の価格補償制度をつくっています。また西土佐村では園芸作物ですが,価格安定基金制度をつくって11品目の価格補償をやっています。市としての今後の積極的な取り組みについてどのように考えているのかお尋ねいたします。 四つ目には,野菜の流通経費の節減と地場流通を広げることです。 産直,朝・夕市,曜日市などに対する場所の提供や地場販売の情報提供,学校給食における地元野菜の利用推進,最近関心が高まっている伝統料理など,地元での流通を促進すれば経費の節減にもなり,消費者は新鮮なものが手に入るという点で,生産者にも消費者にも喜ばれることになります。市としても積極的な地場流通を図るよう取り組みを進めていくようにすべきです。市の見解をお尋ねいたします。 最後に,学校教育における諸問題についてお尋ねします。 一つ目に,30人学級の実現についてです。 今,子供をめぐる情勢,いじめ,不登校,援助交際から,最近では一連の殺人という問題まで,各地で深刻な形で提起されています。まさに日本社会の社会的危機ともいうべき事態ではないでしょうか。私たち大人が,21世紀に向かって日本社会の未来ある発展と存続を考えるならば,子供の健全な成長の条件を確保するということはその根本問題の一つです。 昨年,NHKが行った約1,000人の教師アンケートでは,ほぼ8割が「やりたい教育ができていない」と回答し,その理由として「ゆとりのない多忙さ」「カリキュラムが多い」「クラスの人数が多い」などを挙げています。教職員は,子供たちがわかるまで教えたい,じっくりと子供の悩みを聞いてやりたいと考えています。国際的にも,学級定数基準は日本よりずっと低く設定されています。小学校・初等学校1年の場合,フランスは25人,ドイツは24人,アメリカも24人ですが,クリントン政権は18人学級を打ち出しています。 佐賀県北波多村,長野県小海町などでは,自治体で教員を確保して,少人数学級を実現しております。福井市としても国に対して30人学級の早急な実現を要求するとともに,市としても30人学級に近づくよう努力すべきではありませんか。見解をお尋ねいたします。 さらに福井市としての問題は,数名の転出減を理由にした学級編成を通常やっていない学年でも行っているということです。小学校では,通常3年生と5年生,中学校では2年生で学級編成が行われていますが,それ以外の学年でも生徒数が減少したからということでクラスがえが行われています。学級増の場合は1クラスの人数が減り,ゆとりができるわけですが,学級減については,教師にとっても,子供たちにとっても大変大きな負担であり,早急に改善すべきです。今年度も小学校で4クラス,中学校で1クラス,通常とは別にクラスがえが行われています。学級の増減を差し引いても小学校で1クラス,中学校で3クラスです。なぜこの程度の負担が県として,あるいは市としてできないのか,また今後改善する考えをお持ちかどうかお尋ねいたします。 二つ目に,教育費の父母負担軽減についてお尋ねします。 平成8年5月時点で行われた文部省の地方教育費調査の結果が,この4月に公表されました。PTA寄附金だけに限ると,全国平均に比べて小学校は3.1倍,中学校は2.8倍にのぼっていることが明らかになりました。この寄附金は,主に修繕費や消耗品費,設備備品費,図書購入費などに充当されているということです。 複数のPTA役員の方や学校関係者に話を聞きますと,ロッカーや本棚,楽器や運動具などあらゆるものが父母負担になっております。また年度末になってくると消耗品の予算が足りなくなって,石けんやトイレットペーパー,保健室の薬品類まで出しているということです。特に保健衛生費は,小学校では1人当たり50円程度しかないということで,ばんそうこう程度しか買えないという話も聞いております。また最近,校長先生の間でペンキ塗りがはやっていると聞いています。これは,先生の趣味でやっているのではありません。余りにも教室や水回りが傷んでいるということで,やむを得ず行われているわけです。また各教室などは担任の先生にペンキを塗るよう言われたという話も聞きました。このような実態を市長,教育長は知っておられますか,どのように思われますか,お尋ねいたします。 最近開かれた市町村長会議で,県の稲沢教育長から厳しい財政事情ではあるが予算をふやすよう異例の注文があったということです。このような実態を放置していてよいと思う人はだれもおりません。早急に学校運営費など予算をふやすよう要求し,今後の対策についてお尋ねいたします。 三つ目に,校舎の大規模改造についてお尋ねします。 昭和27年に建設された1棟を初め,25年を経過した校舎は,体育館も含め実に119棟にのぼっております。しかし,毎年改修が行われるのは,小・中学校1校ずつという状況です。先ほどお話ししたとおり,学校の老朽化が進んでおり,このペースでいけば,改築できないところがどんどんふえて,近いうちに相当数を一気に改修しなければならなくなるのは必至です。計画を立てて取り組むよう求めるものです。 その際,築後25年たった校舎については,少なくとも耐震診断を早急に行うことが必要です。福井震災50年という節目の年であり,専門家を招いてさまざまな取り組みを予定されていますが,避難場所になっている学校の耐震診断もやっていないのでは,主催者都市として恥ずかしいことではないでしょうか。子供たちが毎日使う学校こそ,一番に改善するべきではないでしょうか。市長,教育長の現状認識と今後の対策と計画についてお尋ねいたします。 以上で私の質問を終わります。 (企画財政部長 奈良一機君 登壇) ◎企画財政部長(奈良一機君) 消費税率の引き下げと景気対策についてお答えをいたします。 消費税率の引き下げについてでございますが,これは従前より御答弁申し上げておりますとおり,消費税率の引き上げ及び地方消費税の創設に当たりましては,国政レベルで十分審議が尽くされて決定されたものと理解をいたしております。 いずれにいたしましても,税制につきましては,国会等における今後の議論,あるいは世論の動向等に注視いたしつつ,適切に対処してまいりたいと考えておりますので,御理解いただきたいと思います。 次に景気対策の中での公共事業の発注に係る市内の中小企業への発注を高めるべきでないか,それから随契の問題でございます。 まず公共事業の発注につきましては,従来から特殊工事,特殊技術を要するもの以外は,地域経済振興を図る意味から市内の中小企業への発注に努めております。特に,本年度は,景気対策の意味からも地元中小企業への発注に一層努力してまいりたいというふうに考えております。 それから随契の件でございますが,随意契約が特定の企業といいますか,業者といいますか,偏っているのではないかということでございますが,御案内のとおり,随意契約により発注できるものにつきましては法令で定められております。例えば緊急を要する場合とか,特殊な技術,機器及び設備等を必要とし,特定のものと契約をしなければその目的を達成することができない場合等々ありますけれども,そういった法令に定まっておりますので,本市といたしましても法令に従い適正に執行をいたしております。 一方,入札につきましては,発注内容を十分に検討いたしておりまして,入札発注できるものについては極力入札にしてまいりたいと考えておりますので,御理解をいただきたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(浦井美惠子君) 時間が残されておりませんので,答弁は簡明にお願いいたします。 (商工労働部長 木村健君 登壇) ◎商工労働部長(木村健君) 景気対策の中で,商工労働部に寄せられました質問につきまして御回答を申し上げたいと存じます。 まず初めに,中小企業者に対する貸し渋りの対応策についてでございますけれども,これは先ほど石川議員にお答えを申し上げましたので,よろしくお願いいたしたいと思います。 次に融資制度の借りかえにつきましてお尋ねがございました。議員御承知のとおり,金利につきましては固定金利制と変動金利制がございまして,現在はプライムレートにより変動金利制をとっているわけでございます。そこで,金利の高いときに借り入れた資金を借りかえができないかということで,金沢市につきましてはあるよというふうな御指摘でございました。 したがいまして,既存の債務返済資金の借りかえは通常はしないことになっているようでございますので,現制度では困難であるということでございますので,御理解を賜りたいと思います。 それから,以前にも御質問をちょうだいいたしておりますけれども,無担保,無保証人の制度融資を市単独で実施できないかということでございましたけれども,現行の市の融資制度の中でも,福井県信用保証協会を利用される場合,保証協会の定める条件を満たしておれば無担保,無保証人で一定額の融資を受けることができるわけでございます。 したがいまして,福井市といたしましては,無担保,無保証人の制度融資を設けることにつきましては考えておりません。よろしくお願いを申し上げます。 以上でございます。 (福祉保健部長 石井信孝君 登壇) ◎福祉保健部長(石井信孝君) 消費税引き下げと景気対策の中で,国民健康保険税の引き下げについてのお尋ねがございましたので,お答えを申し上げます。 国民健康保険税の算出につきましては,基本的に当該年度に必要と見込まれる医療費支給額と老人保健拠出金額から国庫支出金,支払基金からの療養給付費交付金等を差し引いた額を勘案して決定しております。 人口の高齢化や医療費の改定に伴います医療費の増高,また経済不況によります保険税収入の伸び悩み等を背景といたしまして,国保財政は非常に厳しい状況になっております。保険税の賦課につきましては,できるだけ低く抑えるよう努力をしておるところでございますけれども,現況では引き下げはとても困難な状況でございますので,よろしく御理解を賜りたいと存じます。 続きまして,介護保険問題について4点の市の対応,考え方についての御質問がございましたので,お答えを申し上げます。 介護保険制度につきましては,国民健康保険制度やまた国民年金制度に匹敵する大きな制度であると言われております。また制度導入までの期間が非常に短いこともありまして,この制度を円滑に導入するに当たりまして幾つかの課題があることは,私どもも認識をしているところでございます。 まず保険料の問題でございますけれども,介護保険制度は,これまでの措置制度からみずからの意思でサービスを選択できる制度への移行でございまして,この費用につきましては,国民が共同連帯の理念に基づきまして公平に負担すべきであるとの考え方が基本にございます。 保険料を納付できない特別な理由がある場合につきましては,減免制度が設けられておりますけれども,その内容につきましては,国の指針等を参考にしながら検討してまいりたいと考えております。 次に介護基盤整備についてでございますけれども,基本的な考え方は,サービスの需給ギャップをなくすることであると考えております。この課題につきましては,福井市では現在行っております約6,000名を対象として聞き取り調査を主体とした高齢者実態調査の結果を踏まえまして,今後介護保険事業計画策定の中で明らかにしてまいりたいと存じます。 また現行制度との福祉水準の差についてでございますけれども,介護保険制度は,先ほども申し上げましたように,基本的には措置から保険方式への制度移行でございますので,この制度移行から漏れるような人に対しましては,高齢者福祉制度全般の中で検討していきたいと考えております。 最後に,認定基準の問題についてでございますけれども,平成8年,平成9年度に実施をされました認定モデル事業の分析結果の中におきましては,実態との乖離の例があることを示されております。今年度は,これまでのモデル事業の成果を十分踏まえまして,全国一斉に認定モデル事業が実施をされることとなっております。その精度アップが図られてくると想定をされております。 なお,介護認定の不服審査につきましては,県に介護保険審査会が設置をされますけれども,市といたしましては,地域住民の立場に立って誠実に対応してまいりたいと考えているところでございます。 以上,現時点での基本的な考え方を申し上げましたけれども,議員御指摘のありました課題につきましては,全国レベルで対応すべきものがほとんどでございまして,これまで市長会等を通じまして国に対して適切な対応を要望してまいりましたが,今後とも引き続きあらゆる機会をとらえまして要望してまいりたいと考えておりますので,よろしく御理解をお願いを申し上げます。 以上でございます。 (農林水産部長 堂下暁君 登壇) ◎農林水産部長(堂下暁君) 農業を守るための緊急対策ということで,4点にわたりましての御質問にお答えを申し上げます。 まず1点目の米価並びに減反に関する御質問でございますが,米価は農業者の生産意欲を喚起するような適切な価格に設定されるべきものと思っておりまして,御指摘のような60キロ当たり2万円という額の議論は別といたしまして,これまでもそうした考えを基本理念に据え,国に要望いたしてまいりましたし,これからも生産者の声が十分反映されるよう粘り強く要望いたしてまいりたいと考えております。 一方,米価下落の価格補てんの問題でありますが,今回国は新たな米政策の中で補てんの制度を打ち出したところでありまして,所得保障についての新しい考え方として評価をいたしておるわけであります。したがいまして,この制度の一層の拡充強化を要請していく必要があると考えておりますが,市独自の対策につきましては,国の動向を見ながら,今後の研究課題とさせていただきたいと思っております。 また減反につきましては,需給均衡と価格の安定を図る上で,生産者みずからの問題としてとらえていくべきと考えておりますが,押しつけとか,不公平感のないよう集落や地域ぐるみの話し合いの中で取り組みをお願いをいたしているところでありまして,本市といたしましては,こうした点にも支援をしながら,円滑な推進に努めているところでございます。 2点目の低利融資の拡大についてでございますが,営農資金に対する融資制度といたしましては,農業近代化資金を初め,農業改良資金,農林漁業公庫資金がございまして,最近では金利引き下げなどの見直しも行われておりますし,市といたしましてもこれらの利子補給を行う中で,農家負担の軽減に配慮をいたしているところであります。今後もこうした形で支援していきますとともに,制度の周知徹底と有効活用を指導してまいりたいというふうに考えております。 また土地改良事業費の負担金についてでありますが,高金利時代の借入金償還が大きな負担となっておりますことは承知をいたしておりまして,土地改良区等におきましては,JA等の低金利資金に借りかえ,繰上償還をするといった工夫もなされているわけでありますので,今後もこうした努力をお願いをいたしてまいりたいというふうに考えております。 次に3点目の野菜価格安定制度についてでありますが,この制度は昭和53年から実施されておりまして,以来今日まで生産農家の経営の安定と,そして消費者への安定供給に大きく貢献をしてまいりましたし,また対象品目につきましても徐々に広げられ,現在は30品目に及んでいるわけでございます。確かに,制度的には一定規模を対象にいたしておりまして,いろいろな制約もございまして万能とは言えない面もありますが,御指摘のような制度自体の見直しということになりますと問題点も多く,実情を踏まえながら,これから研究検討していかなければならないと思っております。 最後に,野菜の地場流通に関する御質問でございますが,産直やあじさい市,夕市を中心とした地場流通は,消費者ニーズが多様化する中で経費の節減や地場産品の消費拡大を図っていく上でも,これから促進を図っていかなければならない流通形態の一つであると考えております。既に御案内のように,本市におきましてもあじさい市を初めとしたファーマーマーケット等の取り組みが盛んになってきておりまして,いわゆるその消費者に顔の見える流通として好評を得ているともに,大きな成果をおさめているところであります。 このたびの園芸センターのリニューアル計画に際しましても,交流ふれあいのエリアとか,情報提供等の機能の整備充実を予定いたしておりまして,これらの機能を十分生かしてまいりたいと考えております。 以上でございます。 (教育長 梶川恭博君 登壇) ◎教育長(梶川恭博君) 持ち時間がないようでございますので,先ほどの私の方から30人学級の実現に係る御質問にお答えをいたします。 市内の各学校の実態を踏まえまして,学校への教員の手厚い配置につきまして,今までもその必要性を強く県に要望してまいりましたし,そうした中でそれぞれ教育上のさまざまな課題に対応する教員の増配置を受けてきたところでございます。 しかし,現行の法のもとでは市独自で学級編成を認可し,その学級を担任する教員を採用することはできませんので,しかしまた本市の教育を一層充実するためにも,お話のありました学級編成基準の改善を含めた教職員の配置改善を県,国へ粘り強く要望してまいりたいと思います。 以上でございます。あとは教育部長の方からお答えをいたします。 (教育部長 奥津正男君 登壇) ◎教育部長(奥津正男君) 学校教育における諸問題のうち,教育費の父母負担の軽減についてお答えをいたします。 学校教育に必要な経費につきましては,基本的には公費負担と考えておりまして,授業などで使用いたします備品,共同使用の教材などにつきましてはその予算措置をしているところでございます。ただ,児童・生徒個人の所有に係る経費や個人が消費すべき物品などにつきましては,父母負担をお願いをしているところでございます。 お尋ねの教室等の修繕でございますが,厳しい行財政改革を推進している時期ではありますが,PTAの方々に御負担をかけることなく,緊急を要するものから公費で順次直しているのが現状でございます。 また保健室の薬品類でございますが,児童・生徒の学校内でのけが等の応急措置に必要な医薬品につきましては,公費負担で対応いたしております。 なお,個人所有の各種教材につきましては,一括購入など購入方法を工夫をしたり,あるいは共同で使用できる教材の拡大,家庭にある不用品の活用,さらには制服のリサイクル運動を推進するなど各学校ごとに工夫を凝らし,個人に係る負担の軽減に取り組んでいるところでございます。今後もこのような取り組みを積極的に推進をしまして,教育費が父母の方々の過度の負担にならないよう努力をしていきたいと存じます。 次に3番目の校舎の大規模改造についてでございますが,現在校舎建設をして25年経過した建物のうち,これまでに31棟を改修してまいりました。一方,このほか緊急を要する大規模な補修工事につきましても8棟が終わっております。現在,昭和40年代に建設をされました校舎等が中期行財政計画の中で,大規模改造事業の対象となっておりますけれども,近年の財政状況から厳しいものがありますが,今後は実情に合った計画を立てまして,できるだけ多くの棟が改修できるように努めてまいりたいと思っております。 なお,大規模改造を実施をするまでは,一般営繕補修の充実が極めて重要な役割を果たすものと考えまして,緊急度の高い営繕補修はもとより,老朽を予防するようなものにも力を入れまして,学校施設の補修整備等に努めていきたいと考えております。 また耐震診断でございますけれども,昭和56年度に施行されました新耐震法以前の棟につきましては,平成8年度より大規模改修時には耐震診断が国の補助事業としての採択の要件となっていることから,建設年度を考慮しまして計画的に大規模改修を行ってまいりたいと思いますので,御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 ○副議長(浦井美惠子君) ここで10分間休憩をいたします。             午後3時33分 休憩──────────────────────             午後3時45分 再開 ○議長(伊東敏宏君) 休憩前に引き続き本会議を再開いたします。 10番 谷口文治君。 (10番 谷口文治君 登壇) ◆10番(谷口文治君) 日本共産党の谷口文治でございます。私は,市民の暮らし,福祉,平和,民主主義を発展させる立場から質問をいたします。 第1の質問は,日本国憲法の平和原則に反する危険な動きについてであります。 政府は,「新ガイドライン(新日米防衛協力の指針)」に基づき,「周辺事態法」を初め,自衛隊法の改悪や日米物品役務相互提供協定の改定など一連の立法化を進めようとしております。 これらは,国会の承認を得ないまま,アメリカの引き起こす戦争に国を挙げて自動的に参戦・協力させるための「アメリカ有事参戦法」というべきものであります。これは憲法の平和原則に真っ向から反するだけでなく,日米安保条約の建前にさえ反するものであります。「周辺事態法」,つまり「アメリカ有事参戦法」は,日本の防衛とは何の関係もなく,世界に乗り出す在日米軍の無法な戦争や軍事干渉に日本を総動員しようとするものであります。政府は,これまでの国会答弁で,自衛隊が行う米軍への補給,輸送,機雷掃海,船舶臨検などは「戦闘地域と一線を画した地域でやる」とか,「日本が武力行使するわけではない」などと弁明しています。しかし,戦時に補給,輸送,修理,情報提供などを実施すれば,相手国の攻撃対象となり,日本が参戦国とならないというそういう言いわけは通用いたしません。 さらに自治体,民間まで動員をして,民間空港や港湾の米軍優先使用,米軍への新しい土地,施設の提供,輸送,医療,建設などについても,自治体,民間の協力を義務づけようとしているわけであります。 今日,沖縄を初め日本全土で在日米軍の耳をつんざく超低空飛行訓練や「内蔵をえぐられるような苦しみ」という人口密集地域での夜間離着陸訓練,実弾砲撃演習などで被害を一層拡大させているわけであります。今,日米安保条約を肯定する立場の人からも「これはひど過ぎる」「これでは植民地だ」という声が上がっているのであります。米軍の横暴によって住民の生活と安全が脅かされているわけであります。このような基地の重圧に加え,さらに日本の軍事力や経済力も米軍の戦争のために直接総動員しようというものであります。これらは,武力の行使,威嚇を禁じた憲法を全面的にじゅうりんするとともに,アジアの平和を脅かすものであり,「新ガイドライン法」の制定は絶対に阻止しなければならないものであると考えます。 さらに許されない行為を防衛庁が今行おうとしております。 6月12日付の新聞報道によると,「新ガイドライン法」が制定もされない段階から,防衛庁は全国3,232の全市町村に自衛隊員や防衛庁施設職員を派遣をして,法案の内容説明に行くことを決めたということであります。防衛庁が全市町村を対象に直接訪問活動をするのは前例がありません。日本を憲法違反の参戦と武力行使に引きずり込もうとする悪法がつくられようとしている今,「周辺事態法」の立法化を阻止をして,戦争が再び繰り返されないよう,日本は憲法第9条の平和原則をしっかり守れば,国際社会に先見的役割を果たすことができると考えるわけであります。酒井市長の見解をお聞きいたします。また防衛庁から福井市への訪問日程はどうなっているのか,この点についてもお答えをいただきたいと思います。 第2の質問でございます。大型店問題と地域経済についてであります。 大型店の進出を野放しにし,中小小売店や消費者だけでなく,街づくりにも大きな影響を与える大規模小売店舗法廃止関係二法が,日本共産党などの反対を押し切って可決成立をいたしました。これは大型店の出店に当たって駐車場の整備や騒音やごみ対策への配慮を求めたもので,郊外に出店する大型店の出店を規制するものではありません。この法律は,中小商店への影響を考慮した地方自治体の独自規制を禁止するという「大型店の進出野放し法」そのものになっているわけであります。 商店街の皆さんからは「大店法廃止でますます大型店の進出が続き,商売はあがったりだ」と,こういった怒りの声が我々日本共産党に寄せられております。日本共産党は,国会審議で大店法廃止に道理がないことを明らかにするとともに,大型店出店を届け出制から許可制に変えるなどを内容とした大店法の抜本改正を提案をいたしたところであります。 さて福井市における大型店の出店状況は,ますます盛んであります。福井市大和田町にユニーの出店計画があり,県武道館の周辺にも新たな大型店の出店計画があると聞いております。郊外栄えて,既存の商店街や中心市街地がますます衰退する危険性をはらんでおります。大型店ができると,その周辺数キロメートルの半径の中で,三,四年の間に商店の数が半減すると言われています。現に大型店に顧客が流出し,スーパーが閉店をする。八百屋さんや魚屋さん,酒屋さんが閉店,廃業に追いやられています。このあおりを受けて,お年寄りは買い物ができない事態が起きています。大型店のごく近くに住んでいる人には便利がいいかもしれませんが,遠くに住んでいる人にとっては買い物が不便になっていくわけであります。高齢者がふえている中で,市民生活が成り立つ街づくりの政策を行政としても持つべきであります。 既存の商店街の小売商の販売技術をどのようにして消費者の求めるレベルまで高める指導をするのか,大型店に対応できる力量をどうつけさせるのかという商店街振興策,そして大型店への出店規制など,行政としてこれらの政策を早急に確立するよう要求するものであります。酒井市長の見解を求めます。 もう一つの問題は,地域の経済効果という問題であります。 日本福祉大学の森教授のモデル計算によりますと,「既存の商店街で成り立っている地域に比べて,消費者が同じ金額を使って大型店で買い物をするようになると,地域における経済効果はほぼ20分の1に縮小することが明らかになった」と報告されております。その最大の原因は,大型店で買い物をしてもその売り上げは本部に吸い上げられ,ほとんど地元に残らない仕組みにあると言います。大型店の進出によって地域における経済循環,貨幣循環が崩れていくところに問題があると指摘をしております。 地域の経済効果という問題でも,既存の商店街の育成,強化という点が強く求められます。福井市の行政指導が問われると考えますが,理事者の御所見をお伺いをいたします。 第3の質問でございます。職員定数の削減と給与削減の不当性についてであります。 財政危機を理由に,市長など特別職の給与,管理職手当の一部カットとあわせ,一般職員の定期昇給を1年間凍結する,市職員の給与削減を実施しようとしている問題であります。市長など特別職の給与のカットはともかく,酒井市政の失政が生み出した財政赤字のツケを一般職員に負わせるなどは筋違いであります。一般職員1人平均13万4,200円,歳出削減合計3億2,600万円にもなります。そしてこの削減は,定年退職時まで毎年影響してくるわけでありますから,200万円,300万円と削られる職員が出てくるわけであります。本来,こうした基本的な人件費の削減はやってはならないわけであります。 日本共産党議員団は,5月20日に「財政危機に名をかりた一般職員への給与削減は不当,全国でも異例中の異例だ。直ちに撤回せよ」と総務部長と交渉を行ったわけであります。22日には,午前8時から庁舎前で「日本共産党福井市議団ニュース・職員の家族を含めた生活費削減は不当だ。人件費の削減はやってはならない」という議員団ニュースを配布をし,職員から聞き取り調査を行ってまいりました。その幾つかを紹介をしてみたいと思います。 「なぜ,先に給与削減が来るのか。大型事業など事業費を削減すべきだ」「新採用は見送り,人員は削減,残業はするな,給料まで削減。これでは意欲が持てなくなる」「財政赤字の責任を一般職員に負わせるのは筋違いだと思う。給料は生活費に充てているもの,一方的に削られるのは困る」「市長など特別職の給与減額は1年後にはもとに戻る。我々一般職員の昇給凍結は退職するまで毎年影響する。200万円,300万円削られることになる」などなど,この人件費削減に対する怒りの声,不満の声が私たちのところに寄せられました。 財政危機をもたらした原因は,使い道が明確でない土地を購入したり,それが不良債権化し,多額の不良債権を抱え込んでいること。本町通り地下駐車場や市立美術館,福井駅周辺区画整理事業,フェニックス・パーク事業など大型事業の借金増大で,毎年多額の償還に歳出予算が充てられているからであります。これらの事業の縮小,凍結,中止などを大胆に行い,歳出削減を図ることが財政健全化への確かな道ではありませんか。一般職員の給与削減攻撃は,労働基本権にかかわる不当労働行為であります。直ちに撤回するよう要求するものであります。酒井市長の明快な答弁を求めるものでございます。 今年度予算で酒井市長は,「財政再建には,市民にも我慢してもらう」とひとり暮らし老人への乳酸菌飲料配布事業の予算を半分に削減いたしました。各種補助金のカットや福祉切り捨て,市民負担増を押しつけるなど,市民や職員に一方的に犠牲を強いる財政再建策には断固反対するものであります。酒井市長の御所見をお伺いをいたします。 第4の質問でございます。障害者対策についてであります。 ノーマライゼーション七カ年戦略の後退を許さず,仕事,生活,福祉,教育,街づくりなど障害者施設の拡充を求めるものであります。障害者が安心して街に出ていけるように施設のバリアフリー事業,歩道の段差解消,歩道上の障害物撤去,点字ブロック,スロープ,自動ドア,トイレなど公共施設等の改善がまだまだ立ちおくれております。 また障害者施設が完備されていても,案内看板,すなわちシンボルマークがないため利用されない場合があります。シンボルマークは,障害者が安易に利用できる建物及び施設であることを示すとともに,障害者の生活圏拡大運動を広めることを目的としているわけであります。駐車場の確保についても,入り口から遠い,物が置かれて駐車できないなど苦情が多く寄せられております。 公衆ファクスの設置に力を入れるべきであります。自宅へのファクス普及は前進していますが,街に出てファクスを使いたくても設置されていません。聴力障害者にとっては緊急時連絡に欠かせないものであります。当面,市役所ロビーとか,市民福祉会館に設置するよう要求をいたします。 小学校や中学校に,障害を持つ御父兄が安心して授業参観や各種会合に行けるよう玄関などの段差解消,スロープや手すりなどの対策をとってほしいという要望が寄せられております。常設ではなくてもその都度対応する方式でもよいと思いますが,いかがでしょうか。 市営住宅へのエレベーター,スロープ,手すり,駐車場,室内の段差解消など,健常者用住宅を障害者が希望すれば受け入れられるよう改善を求めるものであります。 障害者団体や福祉団体から各種改善要望が出されたら,速やかに対応できるように予算化を要求をいたします。各理事者の御所見をお伺いして,私の質問を終わります。ありがとうございました。 (市長 酒井哲夫君 登壇) ◎市長(酒井哲夫君) 日米防衛協力の指針に基づく立法化に係る御質問に対しましてお答えをいたします。 本年4月28日,国におきましては,周辺事態に際して我が国の平和及び安全を確保するための措置に関する法律,いわゆる日米防衛指針のガイドラインでございますが,これを国会に提案されたところでございます。 こうした中において,米軍基地を抱える14の都道県の知事連絡協議会及び全国基地協議会が,具体的な情報の提供と地方公共団体の意見を聞き慎重に検討することを求める要望書を,政府に提出したところでございます。 いずれにいたしましても,今後委員会及び国会の審議の中で関係自治体,世論の動向等を踏まえた慎重な審議がなされるものと思われますので,その過程を注意深く見守ってまいりたいと,このように考えております。 他の質問につきましては,関係部長の方からお答え申し上げます。 (商工労働部長 木村健君 登壇) ◎商工労働部長(木村健君) 大型店舗問題と地域経済について何点かお尋ねがございました。お答えを申し上げたいと存じます。 まず大型店の出店規制についてお尋ねがございました。現在,本市におきましては,店舗面積が3,000㎡以上の第1種大規模小売店舗が13店出店をいたしております。その内訳は,ショッピングセンターが8店,専門店が2店,百貨店2店,パワーセンター1店となっております。ショッピングセンターには,県外の大型店を核としたものが6店ございますが,いずれも同一店舗内に地元専門店が相当数出店をしておりまして,大型店の集客力と個性的な地元専門店の魅力との相乗作用によりまして共存共栄が図られていると,このように考えているところでございます。 しかしながら,大型店の進出を放置することは,地元商店街の振興発展に少なからず影響を及ぼすことから,現行の大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律に定める審議会の中でも,本市としての御意見を申し上げるなど,均衡のとれた振興を図っているところでございます。 次に既存商店街の育成,強化など,いわゆる振興策についてでございますけれども,本市におきましては,魅力と個性豊かな商店街づくりを目指し,アーケード,装飾等々の設置に対する補助やイベント事業への助成など,ハード,ソフトの両面から支援をいたしているところでございます。今後もこれらの事業に積極的に取り組んでまいりますので,御理解を賜りたいと存じます。とりわけ空洞化が指摘されております中心地の商店街につきましては,地元の皆様が,中心市街地整備推進協議会を核とされ,活性化に向けた審議を重ねておられるところでございまして,本市といたしましても,関係者一丸となって鋭意事業の推進に取り組んでまいる所存でございますので,御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 (総務部長 桑野正暁君 登壇) ◎総務部長(桑野正暁君) 職員の給与削減につきまして御回答申し上げます。 本市が平成9年度決算の赤字など極めて厳しい財政状況にありますことは,議員御承知のとおりでございます。今回,職員の皆様に給料の定期昇給12月の延伸などをお願いすることにつきましては,まことに不本意ではございますが,本市の財政状況を初め,地方行政を取り巻く厳しい状況,あるいは都市間競争を考えますとき,行財政改革に取り組み,でき得る限り早期に健全な都市経営を確立し将来の市民ニーズにおこたえすることが,今日の福井市にとって極めて重要であると判断したからでございます。 職員の皆様方には,今回の措置に関し理解と協力をいただくとともに,福井市を個性的で魅力あふれる暮らしやすい都市とするために,一丸となってこれを乗り越え,今後とも力を合わせ市政の運営に当たっていただきたいと考えております。 以上でございます。 (企画財政部長 奈良一機君 登壇) ◎企画財政部長(奈良一機君) 財政再建における各種補助金や福祉関係費との関係についての御質問にお答えをいたします。 平成10年度の予算編成におきましては,最小の経費で最大の効果を上げることを基本に,財政再建に向けた取り組みを行ったところでございまして,施策の優先度,重要性,効果等を総合的に判断いたしておりますし,また一部見直し等も行いながら,財政再建に鋭意努めてまいったところでございます。 一方,時代の変遷とともに,市民の皆様のニーズも日々多様化してきておりまして,加えて少子・高齢社会の進展等により新たな需要の増大,また既存の制度等の役割の変化等も予測されます中で,市民のために何をなすかを十分に認識をしつつも,各種の補助金や福祉政策も含めまして,中・長期的な展望のもとで再建等を図りながら,より効果的,効率的な財政運営を図りながら財政の構造を健全なものにし,将来の展望を開きたいと思っておりますので,この点,十分御理解をいただきたいと思います。 以上で終わります。 (福祉保健部長 石井信孝君 登壇) ◎福祉保健部長(石井信孝君) 障害者対策について何点か御質問をいただいておりますので,お答えをいたします。 障害者が住みなれた地域社会で安心して暮らし,また自由に社会参加ができる豊かな福祉社会を築くことは,社会的な課題でございますし,また行政にとりましても大きな課題であると認識をしているところでございます。 ところで,御質問のありました公共施設等における障害者や高齢者に配慮したスロープや自動ドア,またトイレ等の改善についてでございますが,これまで福井県のまちづくり条例に基づき,施設の事業者や設計者を初め,多くの市民の皆さんに御協力をいただいているところでございます。 また県条例で定める特定施設の整備適用基準以下の施設の整備に対しましては,福祉のまちづくり環境整備資金の無利子貸付制度や,また多くの人が利用する生活に密着した既存の民間施設を障害者に配慮した施設に改修するその経費の補助であります福祉のまちづくり民間整備事業等により,民間施設につきましても改善に努めていただいているところでございます。また施設の充実に努力をしてまいっていきたいと考えております。 障害者施設の案内表示につきましても,今後とも関係機関の御協力をいただき,整備をしていきたいと存じております。 また市役所ロビーと市民福祉会館における公衆ファクスの設置についてでございますけれども,設置につきましては保守・維持管理等の面からなかなか困難と聞いておりますけれども,当面は体に障害を持った方の市役所での御利用につきましては,社会福祉課等での御使用をいただくということで便宜を図ってまいりたいと存じます。また市民福祉会館におきましては,開館時間中には今までも管理事務所で対応してまいっておりますし,これからもそのように続けてまいりたいと,かように考えているところでございます。 いずれにいたしましても,今後とも関係機関と十分協議をいたしながら,その設置等については考えてまいりたいと,かように思いますので,御理解をいただきますようお願い申し上げます。 以上でございます。 (建設部長 齊藤忠男君 登壇) ◎建設部長(齊藤忠男君) 障害者対策についての御質問の中で,まず障害者が街に出たときの安全対策についてお答えいたします。 歩行者,特に障害者の方々の通行の妨げとなるような道路への立て看板,障害物などの違反物件の取り締まりにつきましては,福井県屋外広告物条例に基づきまして,警察並びに県,市が定期的にパトロールを行うほか,市民の方々からの通報により違反物件の撤去をいたしております。 また段差解消につきましても,実際に障害者の方々と街に出まして,調査点検をして,その結果,悪い箇所から順に補修をしていく予定をいたしております。 誘導ブロックにつきましては,視覚障害者の歩行が多い道路や公共交通機関の駅付近の道路について,関係機関と協議を行い,補修,新設,ともにできる限り取り組んでいきたいと考えております。今後とも安全確保のため道路パトロールの強化を図ってまいりたいと存じておりますので,御理解を賜りたいと存じます。 次に障害者のための市営住宅改善についてお答えいたします。 市営住宅施設における障害者対策については,昭和56年より住戸内のバリアフリー化を進めており,昭和60年より車いす対応住宅を江端,上野両団地にてそれぞれ2戸ずつ整備をし,さらに現在建設中の福団地6号棟にも4戸整備中でございます。今後につきましても,市民のニーズに合った整備を行ってまいりたいと存じます。またこれらの駐車場につきましては,当該住戸の一番近くを確保するように配慮いたしております。 なお,既存の住戸の改善については,入居者の実情に合わせ,生活のしやすい低層階への住みかえなど対応を行うとともに,それぞれの団地の構造,規模,耐用年数などを考慮しつつ,長寿社会に対応できるよう整備を図ってまいりたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと存じます。 終わります。 (教育部長 奧津正男君 登壇) ◎教育部長(奥津正男君) 障害者対策についての学校施設に対する障害者施設の拡充についてお答えをいたします。 ノーマライゼーションの推進も含めまして,一部の学校について,これまでにも障害者対策として昇降口の改修,洋式トイレの改修,そして新築時にはスロープを設置するなどの対策を講じてまいっております。 また対策を講じてない施設につきましては,議員御提案の簡易な方法も含めまして,できる限り支障のないような施設に改善をしたいと考えておりますので,御理解を賜りたいと存じます。 以上でございます。 ◆10番(谷口文治君) 自席で失礼いたします。 一つ,先ほど新聞報道によるとということで,防衛庁が心配をして,私のようなこういう質問が出るだろうから,6月議会に向けて自衛隊や施設職員を行脚,各市町村に出向いて説明に回るというようなこと報道も出ているわけですけども,福井市にはまだお見えになってないんですか。 それから,それは後で,それはそれでまた答えていただいて結構ですが,私は今の職員の賃金凍結について市長から直々に答弁をいただきたかった。市長が,職員向けに財政再建への協力要請についてという文書を出しているんだが,この中には,一切福井市が赤字決算を余儀なくされたその主な要因が何であるのかということを,それについて明らかにせずにですね,極めて厳しい財政状況になりましたということを報告し,このことについては自分自身厳粛に受けとめて云々というようなことですらっと流しているんですね。 そして,それともう一つは,こういう形で,今一般の職員には定年退職時まで尾を引くようなそういう痛みを押しつけようと今している,一方では職員の方からもお話,さっき紹介した中にもありましたけどね。市長を初め,一般職員は,市長は10%ですか,そういう形でカットすると。1年後には元に復活するわけですね。職員の方たちはこれを13万2,600円ですかね,年間平均しますと。これが来年度にもとへ戻りますと,来年度昇給と同時に,この1年分のしのいでもろた分は来年度戻しますよということではないんですよね。市長と特別職については1年後には戻るわけでしょ。みずから招いた失政のツケを,職員には大きな痛みを持たせて,そして市長を初め特別職は1年後にはもとへ戻る。これではね,だれが失政の責任を取っているのか明らかじゃないですか。職員に対してそういうような押しつけ方というのは,全国まれに見る問題です。全国では,恐らく1,2のところだけだと思いますよ。これについて,全国でどういうふうな福井市のような形態があるのか,それも含めて答弁してください。 そしてそれと,市長みずからこの点について答えていただきたいと思います。総務部長がボタンを押したんじゃないんだから,市長がボタンを押したんだから。そうでしょ。今ボタン押して今この6月議会でこれをとおそうとしているわけでしょ。あなた自身がこれについて本当に厳粛に受けとめて,どうなんかという答弁は,正式になさるべきですよ。だから,それはそういう点でそういう言いわけをしたから,それはそれでいいというもんじゃないでしょ。やるべきでないでしょ。 それと,大店法の大型店の問題ですけどね。今の既存の,中心街もちろんですけども,既存の商店街,幾つかありますよね,既存の商店街。既存の商店街が,周辺に大型店が進出して今廃業に追いやられたり,経営が困難な状況に追いやられている。そういう中で,行政として今のこういう大型店に対処できるようなそういう対処の仕方といいますか,指導といいますか,これが今求められていると思うんですよ。既存の福井市のこれまで福井市を支えてきた地元商店街,既存の商店街,をどう育成していくのかという点で行政指導というのが求められていると思うんです。その点について,プロジェクトチーム,この今の商店街育成のためのプロジェクトチームではないわけですけども,既存の商店街をどうやっぱり育成していくんかという点では,行政指導が強く求められている今時期だと思うんですよ。その点で,どういう行政指導をやっていくのかということを質問したんですが,それについてちょっと具体的な返答がなかったんで,その点について再度答弁をいただきたいというふうに思います。 それから市営住宅の問題ですが,障害者用の住宅確保ですね。今全部で今度8戸になるんですかね。障害者用の市営住宅に入りたいという要望の人,健常者用の市営住宅に入りたいという要望の人,健常者用の住宅に入りたいというときに,受け入れて,そして市としてきちっとした対処をすべきだということを申し上げたんですが,その点については,これまで障害者用の部屋がないときには,いろいろ改善も加えながらやってきたんだけども,この点について対応についても質問をしたんだけども,それについての答えがちょっと出ていませんので,お答えをいただきたいというふうに思います。 以上です。 ◎市長(酒井哲夫君) 幾つか再質問をされたわけですが,防衛庁から市町村へ何か連絡があったかという問いですが,本市ではそういうことは聞いておりません。 それから職員の給与の問題につきましては,先ほど吉田議員に答弁をいたしましたとおりでございまして,市長の私としては厳粛にこれを受けとめている。またその厳しい財政状況に至る経過等につきましては,先般来申し上げているとおりでございます。いずれにいたしましても,この難局をどう切り抜けるかというこの時に当たりまして,職員の皆様方に御協力を求め,そして御理解をいただいて,7月1日から1年間の昇給の延伸という措置をとらせていただいたわけでございます。御理解を賜りたいと思います。 以上です。 ◎商工労働部長(木村健君) 既存の商店街の育成強化について回答がないということでございます。 既存の商店街につきましては,市内に数多くの商店街があるわけでございますけれども,その育成強化につきましては商工会議所,また福井市商店街連合会というのがございます。そういったところと十分連携を取りながら,支援をしているところでございますし,郊外の商店街等につきましても,それぞれ地区に商工会というのがございまして,この商工会を通じまして振興策につきましては万全を期してるところでございますので,御理解を賜りたいと思います。 ◎建設部長(齊藤忠男君) 現在のところ,4戸の身障者用住戸については空き家がございません。しかし,先ほども申し上げましたように,本年11月完成の福団地6号棟に,さらに4戸の身障者用住戸が整備されます。この住戸に入居される方がいない場合は公募となりますので,必要な方はできるだけ早く申し込みされれば幸いかと思います。また議員御指摘の点につきましては,今後市民のニーズ,入居者の要望などに合った対応をしていきたいと思っておりますので,御理解賜りたいと存じます。 ○議長(伊東敏宏君) 持ち時間が少なくなりましたので……。 ◆10番(谷口文治君) まだ赤,ついてません。的確にやります。 市長,福井新聞に勤めていたころ,労働組合で,市長が県の職員組合の委員長をされていたころ,いろいろとお世話になった経験もあるし,交流した経験があるんですがね。難局を乗り切るために,今も大型事業や,それから先ほど申し上げました不良債権を抱えている土地等の処分等も含めて,どういうふうにして乗り切っていくのかという政策を,あるいはその点について手をつけずに,そして簡単に職員の賃金を削るというところにいくというのが問題だと思うんですよ。 先ほど私,申し上げました。市長や特別職の方についてはそれはそれとしてという言い方をしました。それは責任を果たすということですから,それは結構でございます。ところが,職員,家族を含めた生活給を(発言する者あり)もちろんそうですよ。そういうことを言ってるんだよ。そこへ,家族の,市長は労働組合の時代にはいろんなアンケート調査やいろいろやったと思うんですけども,そういう職員に徹底してそういう状況を話をきちっとして理解を求めるということを,全職員にやってない。家族も含めた生活給ですから。そういうことを乱暴にカットしていくということについては,これは絶対に認められないと思うんですね。 それともう一点,回答ございませんでしたが,全国の例はどうなんだと。だから,私は,今鹿児島市なんかではあったようですが,異例中の異例なんですね,異例中の異例。これを酒井市長がやるということは,これはどうしても私は認めるわけにはいかない。今の全国でやってない状況を福井市がやっていくのは,とんでもない話です。やらなきゃならないことをやらずに,そしてやってはならないことをやる。こんなことは許すわけにいかないと思いますよ。そういう点で,今の職員の賃金の凍結については,これは絶対に認めるわけにいかないと,撤回を求めたいというふうに思います。 ○議長(伊東敏宏君) 要望にとどめます。 次に2番 柳沢峰生君。 (2番 柳沢峰生君 登壇) ◆2番(柳沢峰生君) 新政会の柳沢峰生でございます。今回の一般質問のしんがりということで,皆さんお疲れの御様子ですので,ごく簡略に質問を行いたいと思いますので,理事者の皆様も簡単明瞭な御答弁をよろしくお願いいたします。 最初に,資源ごみ回収の現状と今後の取り組みについてお聞きいたします。 昨日来,ごみ問題に関してダイオキシン対策という観点からの質問はたくさんありましたので,私はリサイクルという視点から幾つか質問をさせていただきます。 我が市では,空き瓶は委託により月に1回の収集,空き缶は直営で月2回の収集を行い,市の処理場で処理保管の上,一定量になれば業者に売却しており,その売却益は,平成9年度1,587万6,000円にのぼり,そのすべてを自治会へ還元していると聞いております。またペットボトルに関してはこの秋より回収予定だが,トレーや牛乳パックに関しては福井市は直接タッチしてないと聞いております。 そこで質問をいたします。 1点目は,空き缶,空き瓶に関し,収集から売却までの流れを具体的にお示し願いたいと思います。 2点目は,現在の収集方法によりかかる経費は,キロ当たり幾らになるのかをお示しください。さらにもし今直営で収集しているものを民間に委託した場合,経費が幾らになるか試算したものがあればそれもお願いいたします。 3点目は,空き缶について,自動販売機設置業者などは許可業者に収集を依頼していると思いますが,許可業者が収集している量と市が収集している量の比率がわかればお教え願いたいと思います。 4点目は,トレーや牛乳パックはどのように処理されているのか,市として把握しているのか。把握しているのであれば,その流れをお示しください。 5点目は,今後市としてトレーや発泡スチロールなどの処理を含め,焼却埋め立て処理されるのではなく,資源として再利用される率を高める方策をどのように考えておられるのか御所見をお伺いいたします。 次に中途失聴・難聴者に対する支援についてお聞きいたします。 音は聞こえるけれど,話し言葉が理解しにくい人を難聴者,人生の途中で聞こえなくなった人を中途失聴者と言います。現在,福井県中途失聴・難聴者協会は,正会員27名,協賛会員7名,準会員70名で,毎月1回定例会及び定期役員会を開催して活動しております。この人たちは,最初からの聴覚障害者ではなく,文字どおり途中で障害を受けたために手話を覚えることも容易ではなく,コミュニケーションを図ることもできません。このような人たちのために,講習会や研修会のような場所で話の内容をOHPの上で透明なシートにフェルトペンで要約して書くのが要約筆記です。 人に優しい市政を実践されておられる酒井市長は,この6月補正予算に要約筆記奉仕員派遣委託料を予算計上されました。このことは,目立たない障害者にも福祉の手が差し伸べられたと非常に感服いたす次第ですが,その金額はまだまだ満足できるものではございません。 先ほど協会の正会員は27名と申しましたが,福井市内における障害手帳申請者は1,800名程度おられ,要約筆記に対する潜在的な需要はかなりあると思われます。ぜひとも実態を適切に把握され,平成11年度予算では妥当な予算措置を行うべきだと考えますが,御所見をお伺いいたします。また設備的にも充実を図るべきだと考えますが,あわせてお伺いいたします。 次にインターネットのホームページについてお伺いいたします。 我が福井市もおくればせながらインターネットのホームページを開設されました。私も,いつできるのか,どうのようなものができるのか期待をした者の一人として,早速その中身を見てみました。まだすべてをのぞいてみたわけではありませんが,その感想はというと,欠点はないとは言えないが,かなり中身の濃い立派なものができたと感心いたしました。特にバーチャル美術館には,高田博厚の全作品が紹介されてあって,今後の美術館や博物館のあり方もこうあるべきではないかと思いました。つまり本物をずばり展示するのではなく,マルチメディア技術を駆使して,映像でストーリーをつけながら紹介する方が素人にはわかりやすいのではないかと思います。そういう点も踏まえ,幾つか要望と質問をいたします。 1点目は,バーチャル市役所の中に市長への手紙及びフェニックス通信という欄がありましたが,ここに書いた意見なり要望はどのように処理されるのかお伺いいたします。多分,私の考えでは,担当者が読み,処理されるのだと思いますが,私はぜひ市長みずからメールアドレスを持ち,直接処理されることを要望いたします。そして一般市民や若い職員の生の意見を,だれの介在もなしに取り入れるシステムをつくることが重要だと考えますが,御所見をお伺いいたします。 2点目は,現在郷土歴史博物館の移転計画がありますが,今の財政状態では非常に無理があります。しかし,松平春獄公を初め,明治維新前後の福井を紹介することは,福井市にとって非常に重要なことと考えます。ですから,ぜひバーチャル歴史博物館をつくっていただき,インターネットの中で全国に発信していただきたいと思いますが,いかがでしょうか。 3点目としては,私がきのうアクセスした段階で4,296人目の訪問客でありましたが,ホームページのよしあしはリピート客が何人いるかで決まります。ぜひ担当者にいい遊び心をもってホームページの更新を行っていただき,何度でもアクセスしてくれるホームページにしていただきたいと思います。 4点目としては,何事もPRが大事です。今後,福井市の封筒などにはホームページアドレスを表示願いたいと思います。 次に最後の項目として,各連絡所の現状と今後の展開についてお伺いいたします。 今,福井市には,四つのサービスセンターと五つの連絡所が設置されております。各場所によって業務内容は多少異なりますが,私の地域の森田連絡所などは本庁の窓口でできる業務はすべてでき,非常にありがたく思っております。またその窓口対応も年々よくなり,これも酒井市長の職員教育の成果のあらわれと敬服する次第であります。 そこで幾つか質問をさせていただきます。 1番目は,現状の利用状況は,本庁と連絡所ではどのような比率になっているか資料があったらお教えください。 2番目としては,私はこういう連絡所の業務は,市民の皆様に対するサービス業務だと思います。であるならば,市民の皆様がわざわざ本庁まで来なくてもいいように,業務内容及び人員なども拡充すべきと考えますが,御所見をお伺いいたします。 3番目として,これは私の不勉強かもしれませんが,連絡所でこういうサービスを受けられるということを知らない人もたんさんおられるのではないかと思います。ぜひ公民館などともタイアップして,定期的に公民館便りなどでPRしてもらうことも大事だと思いますが,いかがお考えでしょうか。 最後に,2期目を迎えられました酒井市長におかれましては,強力なリーダーシップを発揮され,幾多の難関を突破されますことを御期待申し上げますとともに,我が新政会,6月にできた新しい会派であり,人数も少のうございますが,全員一丸となって調査研究に励み,市政発展のため努力する所存でございますので,議員各位並びに理事者の皆様方の絶大なる御支援と御理解を賜りますようお願い申し上げ,私の一般質問とさせていただきます。どうも御清聴ありがとうございました。 (市民生活部長 林廣美君 登壇) ◎市民生活部長(林廣美君) 柳沢議員から4点の御質問のうち,1点目の資源ごみ回収の現状と今後の取り組み,さらには各連絡所の現状と今後の展開,この2点についてお答えを申し上げます。 まず資源ごみの回収等に係ります今後の取り組みでございますが,まず1点目の空き缶,空き瓶に係ります処理体系に関しまして,柳沢議員御承知のとおり,それぞれの地域で指定されております市内2,850カ所ございます資源ごみのステーションに出されました空き缶,空き瓶,これは行政が収集をさせていただまして,そして南江守町にあります収集資源センターに搬入の上,空き缶はアルミとスチールに区分選別をしますし,空き瓶は色別に区分すると,こういった形で一定量になりまして資源再生業者に売却すると,こういう流れのもとで行われているわけでございます。 それから,ちなみに9年度におきます空き缶,空き瓶の資源回収のリサイクルにまわされましたボリュームを申し上げます。御指摘のように,1,594トンにのぼるということでございます。 2点目の空き缶及び空き瓶について現在の収集方法による経費はキロ当たり幾らか,あるいはこれを民間に委託する場合,その経費は幾らになるのかというお尋ねがございました。 この点につきましては,資源リサイクルを進め,コスト削減の上からも極めて重要な視点項目と考えておるところでございますが,またその前提としましてごみの組成分析,さらにはデータのとり方,方式の見きわめなど,その差異が生じてくる場合が非常に多うございます。こういうことを踏まえながら,またさらにはシミュレーション的な検討が必要であります。これらを踏まえまして,今後議会の行政改革特別委員会等を通じましてお示しを申し上げてまいりたいと,このように考えておりますので,御了解いただきたいと思います。 それから,3点目でございますが,自動販売機からの空き缶に係ります許可業者と行政との収集割合についての御質問でございます。このことにつきましては,昨日からもお答えを申し上げておりますように,廃棄物処理法の定めによりまして,設置者が排出した責任によりまして処理されているところでございまして,その量の把握ということは,具体的には定かでないというのが実情でございますが,全体量を把握するということは,行政対応にも必要なことと考えますので,今後その補促にも努めてまいりたいと,このように考えております。 次に4点目は,トレーや牛乳パックはどのように処理されているのかというお尋ねでございます。 まずトレーにつきましては,スーパーなどの量販店が店頭に回収容器を設置しまして,自主回収を行い,それらトレーを主として納入業者が引き取りまして,再生事業者に渡していくと,こういう実態でございます。 また牛乳パックにつきましては,トレーと同じく量販店が自主回収を行っておりますが,他方行政といたしましても平成9年度から,学校などによって行われております集団回収の対象として始めたわけでございまして,資源化に努めているところでございます。 5点目のこれはトレーを初めとしまして,発泡スチロールなどの資源としての再利用,これの率を高める方策はどうかということでありますが,西村高治さんの午前中の御質問にもお答えを申し上げましたように,高橋省一郎議員さんにもお答えしましたが,これらのことにつきましては,今後とも資源循環型社会の構築,リサイクル率を高めるという極めて大事なごみ行政の領域になるかと思いますので,今後とも努力を重ねてまいりたい,このように考えているところでございます。 次に4番目の各連絡所の現状と今後の展開についてございます。 まず連絡所の利用状況でございますが,ばらつきはありますものの,地域別,地域住民の皆さんの利便性を図る目的は,ようやく四つ目のサービスセンターの完成に伴いまして,本来の目的が果たされていると,機能目的が果たされているというぐあいに考えておりまして,お尋ねのありました利用件数で申し上げますと,年々増加の一途をたどりつつあるわけでございまして,平成9年度時点の統計によりますと,本庁の市民課全体の中で連絡所で占めるサービス比重,これは19万8,000件となっておりまして,全体の28%になっているところでございます。 それから2番目に業務内容,これは議員からもちょっと御紹介がありましたが,現在市民課では,ほとんど市民課で行っている業務と連絡所で行っている業務はほとんど差異がございません。一部オンラインシステムが取りつけられていない連絡所が一部においてありますが,おおむね本庁と同じような届け出諸証明が行われているという状況でございますので,さよう御承知いただければよろしいかと存じます。 最後に,こうした業務内容につきまして,広く市民に周知徹底をすべきであるという御指摘でございまして,御指摘のとおり公民館・市政広報等を通じまして今後サービス内容の周知徹底を市民の皆さんにより広くわかっていただける努力を重ねてまいりたいと,このように思います。 以上でございます。 (福祉保健部長 石井信孝君 登壇) ◎福祉保健部長(石井信孝君) 中途難聴者に対する支援についてお尋ねがございましたので,お答えを申し上げます。 障害者の家庭生活や,また社会参加を援助するために,国の基準に基づき車いす等の補装具,また特殊ベッド等の日常生活用具が指定されており,また軽度難聴者の方には補聴器とか,あるいはまたファクス等の支給を行っておるところでございます。その他,聴覚障害者や音声または言語機能障害者の方々には,手話通訳奉仕員を派遣して社会参加を支援しております。 議員の御質問にございます要約筆記奉仕員の派遣事業につきましては,6月議会でお願いを申し上げまして,7月から実施してまいる所存でございますけれども,この事業は議員仰せのとおり,これまで健常者だった方がある日突然聴力を欠損して聞こえなくなった中途失聴者,あるいは難聴者の方々が手話を習得することが非常に困難なことから,こうした方々を対象に要約筆記奉仕員を派遣するものでございます。 この事業は,公的機関,あるいはまた医療機関,さらには事業所や集会所へ赴く場合に,付き添いが得られないとき,また意思の疎通を図るために発言者の話を要約をして障害者に発言の内容を伝達するものでございます。また議員仰せの集会所等で使用するためのOHPの設置につきましては,今後とも関係機関の御協力を得ながら対応してまいりたいと存じます。また今後,この要約筆記奉仕員制度を利用されることによりまして,障害者の方々の社会参加がなお一層図られることと存じますので,今後の要約筆記奉仕員派遣制度の需要を踏まえました上で充実,あるいは対応してまいりたいと存じますので,御理解を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。 以上でございます。 (総務部長 桑野正暁君 登壇) ◎総務部長(桑野正暁君) インターネットにつきまして御回答を申し上げます。 昨年度,ホストコンピューター機器を郵政省の支援を得まして整備をいたしました。御指摘のように,本年の5月19日より正式に開設をいたしております。きょう現在で4,317件の利用がございました。1日平均160件の利用となっております。 ホームページの情報発信の内容といたしましては,漠然としたイメージアップだけでなく,市民の方が使える,ためになる,楽しい内容となるよう配慮をいたしたところでございます。具体的には,御指摘のございましたようなバーチャル市役所を初め,200種類に及ぶ情報統計の掲載,あるいはマルチメディアを駆使しての音声による観光ガイド,あるいは観光ビデオ等,静止画による生の福井市を紹介いたしますライブカメラなど,楽しい内容も盛りだくさんに用意をいたしているところでございます。全体で730画面で構成をいたしておりますけれども,今後もメニューの充実を図ってまいりたいと思っております。 幾つかの御質問,御意見等の中で,特に電子メールの利用につきまして,地域住民の方々の声を直接聞く御質問がございました。御指摘のとおり,現在フェニックス通信と市長への手紙の二つのページが用意をいたしておりまして,フェニックス通信は対象者,あるいは募集の時期,テーマ等を限定せずに広く市政に対する御意見,御要望をお尋ねをするものでございます。また市長の手紙につきましては,6月10日から8月31日までの期間でございますが,市内に在住,あるいは勤務する方を対象に募集期間とテーマを設けてございます。これらにつきましては,いずれにしましても従来から行っておりますものをインターネットでも受け付けをしているということでございまして,後の処理方法につきましては,従来どおりでございますので,御指摘ありましたことも含めまして今後十分に検討させていただきたいと思っております。 またこれらにつきまして,直接生のやりとりをといったような御意見もございましたけれども,現在電子メールにつきましては,端末機,最終的には1人1台が理想であろうと思いますけれども,当面は各課1台での体制を目指して整備を進めているところでございまして,これら端末機の進捗に合わせて,これらにつきましても推進をしていきたいと,そのように思っております。 またほかに,バーチャル歴史博物館,あるいはこれらのPR等についての御提言,御意見もございましたけれども,これらにつきましては積極的に,前向きに取り組んでいきたいと,そのように思っております。 以上でございます。 ◆2番(柳沢峰生君) 一つだけ要望でございますけれども,ぜひとも市長室にもパソコンを置いていただきまして,私と電子メールでやりとりをしていただきたいと思います。 以上で,終わります。 ○議長(伊東敏宏君) 以上をもちまして通告による発言は全部終了いたしました。よって,市政に対する一般質問を閉じます。 本日の議事日程は以上で終了いたしました。よって,散会いたします。             午後4時56分 散会 地方自治法第123条第2項の規定により,本会議の顛末を証するため,ここに署名する。福井市議会議長                     平成  年  月  日福井市議会副議長                    平成  年  月  日署名議員                        平成  年  月  日署名議員                        平成  年  月  日...